女子マラソンに23歳超新星が現れた謎が判明 同好会→10か月で歴代10位、小林香菜の急すぎる成長曲線
9月の東京世界陸上代表選考を兼ねた大阪国際女子マラソンが26日、大阪・ヤンマーフィールド長居発着の42.195キロで行われ、23歳の小林香菜(大塚製薬)が2時間21分19秒で日本人トップの2位に入った。参加標準記録を突破し、代表争いで大きく前進。大学時代はランニングサークルで走りを磨いた異色の経歴を持つ。社会人10か月目で迎えた大きな飛躍。指導者の予想を超える成長の連続だった。(文=THE ANSWER編集部・浜田 洋平)

大阪国際女子マラソン
9月の東京世界陸上代表選考を兼ねた大阪国際女子マラソンが26日、大阪・ヤンマーフィールド長居発着の42.195キロで行われ、23歳の小林香菜(大塚製薬)が2時間21分19秒で日本人トップの2位に入った。参加標準記録を突破し、代表争いで大きく前進。大学時代はランニングサークルで走りを磨いた異色の経歴を持つ。社会人10か月目で迎えた大きな飛躍。指導者の予想を超える成長の連続だった。(文=THE ANSWER編集部・浜田 洋平)
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初体験ばかりの一日に戸惑いを隠せない。レース直後の場内インタビュー。新ヒロインは頬を赤らめた。
「まだ実感がなくて、わけがわからないです。タイム、いくつですか?」
本人にも謎の結果。経歴と同様、奇想天外とも言えるレースだった。パリ五輪代表の鈴木優花、2大会連続世陸代表の松田瑞生ら実力者たちとの先頭集団。23歳の小林が主役になった。15キロの給水所でペースメーカーと接触。「一瞬焦ったけど、ぶつかった痛みできつさが和らいだ。よくわからないんですけど。うふふ」
中間地点で先頭から離された。「ああ、もうしんどいなぁ」。胸の内とは裏腹に22キロ付近で追いつく力走。日本人は前に2人しかいない。「あれ、今回いけるのかな?」。再び前の背中が遠のいても、29キロで1人抜いて3番手に浮上した。

「前、バテてるからいけるよ!」。沿道の声を背に残り800メートルで鈴木を逆転。8回目のフルマラソンで日本勢トップの2位だ。世界陸上の参加標準記録2時間23分30秒を突破しただけでなく、自己ベストを一気に3分40秒も更新。日本歴代10位の快記録でもある。
「気がついたら鈴木さんの背中が大きくて……。予想以上に走れて驚いています。後半に粘れた理由は自分でもよくわかっていない。どの練習がマラソンに生きたのか……。標準記録突破が目標と言いつつ、無理かなと思っていました」
体やレースの感覚すらも荒削りだから驚きだ。トップランナーには類を見ない経歴をたどってきたルーキー。ここに好記録の理由がある。