井上尚弥が破壊した「軽量級は稼げない」の定説 30億円契約に破格報酬…戦いたいなら「来い!」
ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)が24日、東京・有明アリーナでWBO11位キム・イェジュン(韓国)に4回2分25秒KO勝ちし、世界戦通算24勝の現役単独最多(歴代9位タイ)記録を打ち立てた。世界2位となる3度目の4団体防衛に成功。昨年11月にサウジアラビアの団体と30億円の契約を結ぶなど、長らくボクシング界にあった定説を覆してきた。そこには井上にしかできない理由がある。戦績は31歳の井上が29勝(26KO)、32歳のキムは21勝(13KO)3敗2分。(文=THE ANSWER編集部・浜田 洋平)

井上尚弥が押し上げた軽量級市場
ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)が24日、東京・有明アリーナでWBO11位キム・イェジュン(韓国)に4回2分25秒KO勝ちし、世界戦通算24勝の現役単独最多(歴代9位タイ)記録を打ち立てた。世界2位となる3度目の4団体防衛に成功。昨年11月にサウジアラビアの団体と30億円の契約を結ぶなど、長らくボクシング界にあった定説を覆してきた。そこには井上にしかできない理由がある。戦績は31歳の井上が29勝(26KO)、32歳のキムは21勝(13KO)3敗2分。(文=THE ANSWER編集部・浜田 洋平)
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軽量級は稼げない。ボクシング界にあったそんな定説を覆した。
井上は、11月にサウジアラビアの国際娯楽イベント「リヤド・シーズン」と推定1900万ドル(約30億円=発表当時)のスポンサーシップ契約を締結。「反響も凄くあったし、日本のボクシング、軽量級でそういう契約ができることで夢を与えられたと思う」。階級間の“格差”を壊した超大型契約だった。
米国など海外では、より迫力のある重量級の方が人気。階級が上がるほど注目を浴び、ファイトマネーも比例する。2022年4月の村田諒太氏とゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)の世界ミドル級王座統一戦は興行規模が20億円超。全17階級で最も重いヘビー級は数百億円に跳ね上がることもある。
一方、井上は下から5番目に軽いバンタム級時代、1試合のファイトマネーが1億円に達し、「破格」とされた。それが今年5月の東京ドーム興行は、ファイトマネーの他に放映権料やスポンサー収入、グッズ販売などの総額が10億円超に。大型興行を組めば、他の出場選手たちにも報酬や認知度向上の面で恩恵が生まれる。
井上の試合は海外ファンからも需要があり、世界配信が基本。人気と評価が高い理由は実力もさることながら「試合数」に違いがある。近年は年間2試合を続け、2025年は8年ぶりの3試合を計画。世界トップ中のトップのボクサーたちは2試合、または1試合しかしない選手が多く、3試合はハイペースだ。