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有森裕子さんの名言「自分を褒めたい」誕生の礎に スポーツ界に生き続ける高石ともやさんの「言葉の力」

有森裕子さんの名言「自分を褒めたい」誕生秘話

 その後も高石さんは音楽活動と並行してトライアスロンのレースに出続けていた。国内外の組織が整備され、2000年シドニー大会で五輪の仲間入りを果たし、今や五輪の「優等生」と言われるまでになった。国内では毎週のようにレースが行われているが、その黎明期に高石さんがいた。

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 もう1つ、高石さんにはマラソンランナーとしての顔もある。96年アトランタ五輪女子マラソン銅メダルの有森裕子さんに「初めて自分で自分を褒めたい」について聞いた時、「実はあれ、高石ともやさんの詩がもとなんです」の答え。高校時代に駅伝大会の開会式のあいさつで聞いた詩を覚えていて「いつか自分も言えるように」と思い続けていたという。

 高石さんは「もともとは米国でボランティアの女性から聞いた言葉なんですよ」と明かした後、有森さんとの縁を楽しそうに話してくれた。トライアスロンの魅力を語る時と同じように、マラソンの魅力、詩、音楽との関係……。「彼女に『歌の文句で人生変わるかね』と言ったら、きっぱり『変わります』って言われてね」と、うれしそうに話した。

「メッセージ・フォークの旗手」と呼ばれた高石さんだが、その強くて明るいメッセージは、スポーツの世界にも影響を与えた。トライアスロンは成長し、進化して五輪の中心競技になったし、「自分を褒めたい」は今や選手たちの「定番」になった。伝説的なフォーク歌手が長く、広く伝えてきた「言葉の力」は、スポーツ界にも生き続ける。

(荻島 弘一 / Hirokazu Ogishima)

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荻島 弘一

1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者としてサッカーや水泳、柔道など五輪競技を担当。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰する。山下・斉藤時代の柔道から五輪新競技のブレイキンまで、昭和、平成、令和と長年に渡って幅広くスポーツの現場を取材した。

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