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次代の最強KOボクサー・中谷潤人 世界最強・井上尚弥に通ずる「期待を超える」という意識

サンティアゴ(左)を倒した中谷【写真:山口比佐夫】
サンティアゴ(左)を倒した中谷【写真:山口比佐夫】

井上の後に続こうとする中谷「見ていて楽しい試合をするのがプロボクサー」

 磨き上げた変幻自在のボクシングは、目標を叶えるためにある。体重差がないと仮定した上でつけられる格付けランク「パウンド・フォー・パウンド(PFP)」に名を連ねることだ。井上に続く歴史的快挙の可能性を秘める26歳。世界最強のモンスターは常に発言でもハードルを上げ、その期待のさらに上を行く試合を見せるが、その後に続こうとしている。

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「(井上は)期待を超えていくことをされてきた。僕自身もそういうところを見せて、『中谷潤人』という一つのコンテンツとして見てもらえたら嬉しいです。人それぞれ違うボクシングがあって、違う色があって、見ていて楽しい試合をするのがプロボクサー。僕を期待して待ってくれている人がいれば嬉しいです。

 WBCのバンタム級には歴代のレジェンドがいますが、また違う『中谷潤人のボクシング』を楽しみしてほしい。遠近どちらでも攻めて対応できるのが僕の持ち味。そこから『どうKOするのか』を楽しんで見てもらえれば」

 ハードルを上げるビッグマウスは、強さを誇示するためでも、相手を威圧するためのものでもない。言葉以上の結果を残し、観客を沸かせるためにある。

 15歳で山中氏の試合を生観戦したのは、くしくも同じ両国国技館。この日、リングサイドで見守った父・澄人さんは「想像以上に似合ってましたね。相当、嬉しかったんでしょう」と緑のベルトを巻く息子に感慨深げだった。見せた引き出しは2つ、遠距離からの相手の制御と構え変更からのテンポアップ。ピンチはなく、まだ底が知れないのが恐ろしい。

 この日はメインイベントで井上拓真がWBA王座を初防衛。涙の9回KOで盛り上げた。王者2人のほか、日本人世界ランカーが7人もいるバンタム級。伝統階級で中心に立つのは誰なのか。次代の最強の呼び声高い中谷は「バンタム級での将来を期待してもらえますか?」とリングからファンに投げかけた。熱い拍手がその答えだった。

「皆さんの期待に応えてもらえるような熱いファイトをしていきたい。今日の試合でファンも、自分もより上を見られるのかなと思います。もちろん統一戦もですし、PFP入りすることを目標に持っているので、そこに向けてビッグファイトをしていきたい」

 昨年5月のKO劇が米国の主要メディアで「年間最優秀KO賞」に選ばれた。これからも若き拳からド派手なKO劇が生まれそうだ。

(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)

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