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井上尚弥の井上尚弥評は「70点」 プロ11年、26戦全勝の中で誇れるもの「誰も超せないものを…」

ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)が27日、2階級4団体統一の快挙から一夜明け、神奈川・横浜市内の所属ジムで会見した。前夜は東京・有明アリーナでWBA&IBF王者マーロン・タパレス(フィリピン)に10回1分2秒KO勝ち。歴史的偉業を達成したが、ボクサーとして現在の自身は「70点」と評価した。底知れぬ向上心を見せ、2024年も熱狂を生み出していく。(文=THE ANSWER編集部・浜田 洋平)

一夜明け会見でファンの「苦戦」の指摘に苦笑いする井上尚弥【写真:浜田洋平】
一夜明け会見でファンの「苦戦」の指摘に苦笑いする井上尚弥【写真:浜田洋平】

井上尚弥が2階級4団体統一から一夜明けて会見

 ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)が27日、2階級4団体統一の快挙から一夜明け、神奈川・横浜市内の所属ジムで会見した。前夜は東京・有明アリーナでWBA&IBF王者マーロン・タパレス(フィリピン)に10回1分2秒KO勝ち。歴史的偉業を達成したが、ボクサーとして現在の自身は「70点」と評価した。底知れぬ向上心を見せ、2024年も熱狂を生み出していく。(文=THE ANSWER編集部・浜田 洋平)

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 快挙の余韻を噛み締める表情は、まるでエステの後のように綺麗だった。井上は傷一つない顔で会見。試合後は「小規模で」と身内で祝勝会を開き、少しだけ睡眠を取った。「夢は見てないです。昨日の試合が夢だったらどうしよう」。映像を見返し「リング上で思ったよりも、高い技術戦をした印象」と、防御重視でタフな相手を倒し切ったことに胸を張った。

「最後まで気が抜けない戦い。相手も一発を狙っていた。(ヒリヒリした試合は)めちゃくちゃ楽しかった」

 同級転向初戦だった7月は60.1キロでリングに上がったが、今回は「61.2か61.3」と前日計量のリミット55.3キロから6キロ増。リカバリーがうまくいき、「無理して増やしていない。スピードもキレも落ちず、よりパワーが乗っていた」とアジャストに手応えを示した。

 男子では世界2人目となる2階級4団体統一の歴史的偉業を達成。だが、求められるものが大きすぎるあまり、ネット上のファンや識者からは「苦戦」との声が上がった。タパレスのディフェンス技術、タフさは世界レベル。井上だからKOまで持っていけたが、期待の高さに苦笑いせざるを得ない。自ら指摘の声を指折りしながら数えて言う。

「階級の壁とか苦戦とか言われてますけど、この内容で言われたらどうしたら良いんです?(笑) タパレスも世界王者ですよ。それだけ自分に期待値があったり、皆さんの感情があるのは凄く嬉しいことなんですけど、これで言われたらやりづらいですよ! 1、2発パンチをもらったら『苦戦してる』とか、漫画じゃないんだから(笑)。『大振り』という指摘もあったけど、その中でやっている本人しかわからない小さい駆け引きもある」

 ボクシングを知る人ほど、中身の濃さ、レベルの凄まじさがわかるということだろう。世界で最も権威のある米専門誌「ザ・リング」の階級を超えた格付けランク「パウンド・フォー・パウンド(PFP)」の1位返り咲きや、年間最優秀賞を推す海外メディアもいる。

 本人はボクサーとして現在の完成度を「70点です。まだ30点分の伸びしろがある」と評価するが、プロデビューから11年、26戦全勝のキャリアで「誇れるもの」もある。

「KO数(23KO)ですかね。プロ6戦目で世界戦をして、そこから世界戦をずっとしている。そういう意味でも誰も超せないものをつくっていきたい。(数字は)結果についてくるものなので、そこを目指しているわけではないですが」

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