NPBへの夢破れても「僕は報われている」 コロナで人生激変、チェコで投げた日本人が考える“野球の活かし方”

抱いてきたNPBの夢…外に飛び出すきっかけは新型コロナ禍
「大事な時に、ちょうどコロナに当たってしまったことにもどかしさはあります。でも昨年で、NPBに関しては踏ん切りはつけられた。ここまでやって叶わないなら、才能がないんだと」
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そこで、野球の使い方について、頭を切り替えたのだという。
「20年以上野球を頑張ってきたんだったら、野球を使って普通ならできない経験をしたいなと思ったんです。もちろんオファーがなくなれば終わってしまうのですが、チェコも豪州も、なかなか行けるところではない。NPBには行けなかったけど、そういう意味では報われているのかもしれません。簡単に聞こえるかもしれませんが、いい経験をしています。視野も広がって」
チェコでは言葉もわからない中で現地の野球に飛び込み、とにかく前向きなメンタリティに大きな影響を受けた。日本のアマチュアではトップクラスの世界で投げ続けてきた経験は、もちろん発展途上の国に還元できるレベルにある。 チェコでは実際に、17歳の捕手とバッテリーを組んで技術を伝えていった。
この冬は、昨年投げた豪州ウインターリーグの頂点「ABL」ではなく、一つ下のリーグで投げながら英語も学ぶ予定だ。メルボルン近郊にある「セントキルダ」というチームでプレーする。そして、意図せず歩き出した世界への道も、ひょっとしたら必然だったのかもしれないと振り返る。
「最初にかっこいいと思った野球選手が、ランディ・ジョンソンだったんです。小学校2年生でしたかね。BSで放送を見て、同じナイキのグラブを使っていましたねえ……」
メジャーリーグへの憧れから始まった市毛の野球人生は、まだまだ外に向かっていく。
(THE ANSWER編集部・羽鳥 慶太 / Keita Hatori)
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