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箱根駅伝予選会に「不参加」の理由 中四国王者監督が語る“全国化”への本音「たった1年では…」

箱根駅伝に「出ろと言うのは簡単ですけど…」

「たった1年で関東の大学と争うとか、そんなのできるわけないと思います。世間的には、メディアなどでいろいろ取り上げてもらえていいのかもしれないですけど、やっぱり準備期間がないと難しい。

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 ただ、やり方によっては可能性が広がります。例えば強豪校で走れない選手をレンタルしてくれるとか。そうしたら自分たちもその大学も盛り上がると思うんですけどね。出ろ、出ろと言うのは簡単ですけど、各大学の事情があるので、言うほど予選会に出て、箱根駅伝出場を目指すのは簡単じゃないです」

 箱根駅伝で選手を強化し、チーム全体の力を高めるためには、例えばクラウドファンディングなどで強化費用を集め、チームに投資しているケースもある。部活動の在り方、強化の方法論がこれからさらに変化していきそうだが、このベースには世界で戦える選手を育成しつつ、箱根駅伝で結果を出すことが前提にあるのは間違いない。

「僕は、箱根ありきでいいのかなって思います。箱根を踏み台にして、世界で戦える選手を輩出することが大事だという考えもありますが、一方で箱根で燃え尽きてしまう選手もいる。才能がある選手もいるので、僕はそういう選手をどうにかして先に繋げていくことを考えていかないといけないと思っています」

■尾方 剛(おがた・つよし)

 1973年5月11日生まれ、広島県出身。熊野高3年時に1万メートルで当時の高校歴代3位の記録をマーク。山梨学院大2年時の箱根駅伝では10区で区間賞の走りを見せ、2度目の総合優勝に貢献した。その後は負傷などに苦しみ、中国電力入社後も低迷していたが復活。マラソンに挑戦し、2001年ベルリンマラソン4位を皮切りに国際大会で結果を残し始め、04年福岡国際マラソンで初優勝を果たす。05年世界陸上ヘルシンキ大会で銅メダル獲得。08年に念願の北京五輪出場を果たすも13位に終わった。12年の現役引退後は広島経済大陸上競技部の監督を務めるとともに、解説者としても活躍する。

(佐藤 俊 / Shun Sato)

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佐藤 俊

1963年生まれ。青山学院大学経営学部を卒業後、出版社勤務を経て1993年にフリーランスとして独立。W杯や五輪を現地取材するなどサッカーを中心に追いながら、大学駅伝などの陸上競技や卓球、伝統芸能まで幅広く執筆する。『箱根0区を駆ける者たち』(幻冬舎)、『学ぶ人 宮本恒靖』(文藝春秋)、『越境フットボーラー』(角川書店)、『箱根奪取』(集英社)など著書多数。2019年からは自ら本格的にマラソンを始め、記録更新を追い求めている。

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