[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

那須川天心の「最強」までの長き道のり KOできない今は「ボクシングの厳しさを教わっている」

ボクシングの東洋太平洋スーパーバンタム級8位・那須川天心(帝拳)が19日、ボクサー転向後2連勝から一夜明け、都内で会見した。前夜は東京・有明アリーナでの123ポンド(55.79キロ以下)契約8回戦でメキシコバンタム級王者ルイス・グスマンに3-0の大差判定勝ち(80-70×3)。4月のデビューから2戦連続の判定決着に悔しさを噛み締めた。これまで敬意を払ってきたボクシング。厳しさと奥深さを再認識し、「最強」への長き道のりを進む。(文=THE ANSWER編集部・浜田 洋平)

ボクシング2連勝から一夜明け会見を行った那須川天心【写真:浜田洋平】
ボクシング2連勝から一夜明け会見を行った那須川天心【写真:浜田洋平】

那須川天心ボクシング2連勝から一夜明け会見

 ボクシングの東洋太平洋スーパーバンタム級8位・那須川天心(帝拳)が19日、ボクサー転向後2連勝から一夜明け、都内で会見した。前夜は東京・有明アリーナでの123ポンド(55.79キロ以下)契約8回戦でメキシコバンタム級王者ルイス・グスマンに3-0の大差判定勝ち(80-70×3)。4月のデビューから2戦連続の判定決着に悔しさを噛み締めた。これまで敬意を払ってきたボクシング。厳しさと奥深さを再認識し、「最強」への長き道のりを進む。(文=THE ANSWER編集部・浜田 洋平)

【注目】育成とその先の未来へ 野球少年・少女、保護者や指導者が知りたい現場の今を発信、野球育成解決サイト「First Pitch」はこちら

 ◇ ◇ ◇

 異なる格闘技で「最強」になると誓った神童。豪語したKOができず、「まだまだ道のりは長い」と痛感した8ラウンドだった。

 那須川は試合開始わずか1分、左カウンターでダウンを先取。幸先よく進化を見せた。2回以降も主導権を握り、7回に2つ目のダウンを奪取。「自分のパンチで倒れることにビックリした。自分を信じ切れていなくて、『お、倒れるんだ』って」。しかし、ガードが固くタフな相手を崩し切れず、初のKO勝ちはお預けになった。

 4回頃に左拳を痛めた影響もあったが、「そういうのも含めて試合。左が打てないなら右を使うべき」と課題を浮き彫りにした。帝拳ジムの本田明彦会長は「2試合で14ラウンドできたことは非常に大きな経験です」と収穫を指摘。一方で「昨日の判定は本人が一番こたえています。あれだけ言っていたわけですから」と倒し切れないことに触れ、続けた。

「ボクシングの厳しさ、甘くないということを教えてもらっているところです」

 デビュー戦まではステップワーク、ジャブ、ストレートに時間を割き、今回はダメージを与える打ち方、スタミナ強化、フック、ボディーなど手を加えた。それでも、アマチュア150戦、非公式試合を含めてプロ20戦以上のグスマンとキャリアの差があるのは当然。本田会長は「引き出しはゼロ」と本格転向から1年に満たない那須川の課題を口にした。

「キックの癖が抜けていません。前に出てきた相手には対応できますが、まだガードの上から殴れない。ガードを固めた相手に『どこを殴ればいいんですか』と言っていました。守られた時に崩せるようにならないといけない。まだ打ち合い(の対応)もわかっていません。いい経験です。ただ、格闘家としては持っているものがあります」

 これまでは「パンチをもらわないことが第一」とスパーリングパートナーはスピード重視の選手を招聘し、ディフェンスなどの基本を磨いた。今後は防御重視の相手を崩し、中間距離での戦い方を覚えさせるプラン。グッズ販売や告知活動などは本人に任せているが、「ボクシングの鍛え方はこちらの方針」と叩き込んでいく。

 さらに「寺地(拳四朗)選手を見ないと。100発殴られても200発打てるように」と近くのお手本を示した。キック時代は憧れの選手や誰かの真似ではなく、自分流で頂きに立った那須川。「(寺地は)自分にないものを持っている王者。あまり他の選手の試合をいっぱい見たことがないので、真剣に見てみようかなと思いました」と前のめりだった。

1 2
W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
DAZN
スマートコーチは、専門コーチとネットでつながり、動画の送りあいで上達を目指す新しい形のオンラインレッスンプラットフォーム
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
UNIVAS
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集