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「4回転トウループはもう少しで…」 飛躍する15歳新星・中井亜美、2026年五輪への未来予想図

4回転トウループは「もう少し手が回れば降りられる」

 好成績で飛躍を遂げたシーズンが終わり、中井はすでにこれからを見つめる。

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「ジャンプはもっと高難度のものをやれるようになりたいです。4回転ジャンプの練習もしていて、アクセル以外をハーネス(ジャンプの練習に用いる補助具)をつけてやっています。4回転トウループはハーネスなしでしていて、もう少し手が回れば降りられるかな、というところに来ています。スケーティングももっと上手になりたいです。そうすれば出られるんじゃないかと思うんです」

 出られるんじゃないか――それは2026年のミラノ・コルティナダンペッツォ五輪だ。大きな目標を抱きつつ、一方で地に足をつけ目標を描く。

「一番の目標はミラノの金メダルです。でもまずは来シーズン、ユースオリンピックがあって出場できる年齢なので、4年に1度のユースで夢に近づけるような試合をしたいです」

 中井の足どりをたどると、家族の理解と支援の下、競技に取り組む環境があって成長を遂げたことが伝わってくる。でもその根幹は、中井自身が抱くモチベーションと、それに裏打ちされた努力にほかならない。自発性をもって打ち込むからこそ、取り巻く周囲を自身の糧とすることができることを知る。

 その未来もまた、きっと自ら創り上げていくはずだ。

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■中井 亜美(なかい・あみ)

 2008年4月27日生まれ。新潟県出身。5歳の時、テレビの浅田真央の演技を観て憧れたのをきっかけとして新潟市内でフィギュアスケートを始める。中学生になるのを機に千葉県船橋市の「MFフィギュアスケートアカデミー」へ。2022-2023シーズン、ジュニアグランプリファイナルに進出し4位になると、世界ジュニア選手権で銅メダルを獲得。全日本選手権ではフリーで2本のトリプルアクセルを成功させ4位に。2023年1月、TOKIOインカラミと所属契約を結ぶ。

(松原 孝臣 / Takaomi Matsubara)

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松原 孝臣

1967年生まれ。早稲田大学を卒業後、出版社勤務を経てフリーライターに。その後スポーツ総合誌「Number」の編集に10年携わり、再びフリーとなってノンフィクションなど幅広い分野で執筆している。スポーツでは主に五輪競技を中心に追い、夏季は2004年アテネ大会以降、冬季は2002年ソルトレークシティ大会から現地で取材。著書に『高齢者は社会資源だ』(ハリウコミュニケーションズ)、『フライングガールズ―高梨沙羅と女子ジャンプの挑戦―』(文藝春秋)、『メダリストに学ぶ前人未到の結果を出す力』(クロスメディア・パブリッシング)などがある。

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