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フィギュア新星・中井亜美、14歳で3A2本成功の衝撃 原点は5歳で見た浅田真央「絶対やりたい」

日本スポーツ界の将来を背負う逸材は幼少期からどんな環境や指導を受けて育ち、アスリートとしての成長曲線を描いてきたのか――。10代で国内トップレベルの実力を持ち、五輪など世界最高峰の舞台を見据える若き才能に迫ったインタビュー連載。今回は日本の女子フィギュアスケート界に現れた次世代スケーターの1人で、15歳の誕生日を迎えたばかりの中井亜美(TOKIOインカラミ)だ。世界ジュニア選手権で銅メダルを獲得し、シニアのトップ選手が出場する全日本選手権で4位に入るなど大きな飛躍を遂げた今シーズン。前編ではフィギュアに魅了された幼少期の原点に迫った。(取材・文=松原 孝臣)

3月に行われた世界ジュニア選手権で銅メダルを獲得した中井亜美【写真:Getty Images】
3月に行われた世界ジュニア選手権で銅メダルを獲得した中井亜美【写真:Getty Images】

連載「10代逸材のトリセツ」、中井亜美(フィギュアスケート)前編

 日本スポーツ界の将来を背負う逸材は幼少期からどんな環境や指導を受けて育ち、アスリートとしての成長曲線を描いてきたのか――。10代で国内トップレベルの実力を持ち、五輪など世界最高峰の舞台を見据える若き才能に迫ったインタビュー連載。今回は日本の女子フィギュアスケート界に現れた次世代スケーターの1人で、15歳の誕生日を迎えたばかりの中井亜美(TOKIOインカラミ)だ。世界ジュニア選手権で銅メダルを獲得し、シニアのトップ選手が出場する全日本選手権で4位に入るなど大きな飛躍を遂げた今シーズン。前編ではフィギュアに魅了された幼少期の原点に迫った。(取材・文=松原 孝臣)

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 国別対抗戦が終了し、フィギュアスケートの2022-2023シーズンが幕を閉じた。

 3月の世界選手権では宇野昌磨(トヨタ自動車)、坂本花織(シスメックス)、三浦璃来、木原龍一組(木下グループ)が優勝したことが象徴するように、日本の選手たちの活躍が際立ったシーズンにあって、大きな輝きを見せ、将来を嘱望されるに至ったジュニアの選手がいる。

 中井亜美である。今年4月に中学3年生となった中井は、中学2年生で臨んだ昨シーズン、ジュニアグランプリシリーズに初めて参戦。中井にとっての1戦目となった大会で3位と表彰台に上がると2戦目で優勝、シリーズの成績上位6名のみが出られるジュニアグランプリファイナルに進出を決めた。この大会で4位となった中井は世界ジュニア選手権で銅メダルを獲得、初の舞台で表彰台に上がった。

 これら国際大会での好成績に加え、大きな脚光を浴びることになったのが昨年12月の全日本選手権だった。シニアのトップクラスの選手も一堂に会して行われるこの大会に推薦で出場し、4位と好成績を収める。何よりも観る者をあっと言わせたのは、フリーでトリプルアクセルを2本成功させたことだった。

 挑戦する女子選手は増えたとはいえ、トリプルアクセルは今なお、習得するのは容易ではない高難度のジャンプであり成功者は世界でも限られる。ましてや1つのプログラムで2本となると、なおさら難易度は増す。成功させた中井が注目を集めたのは自然なことだった。トリプルアクセルに限らず他のジャンプや表現など総体として、豊かな未来を思わせる演技でもあった。

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松原 孝臣

1967年生まれ。早稲田大学を卒業後、出版社勤務を経てフリーライターに。その後スポーツ総合誌「Number」の編集に10年携わり、再びフリーとなってノンフィクションなど幅広い分野で執筆している。スポーツでは主に五輪競技を中心に追い、夏季は2004年アテネ大会以降、冬季は2002年ソルトレークシティ大会から現地で取材。著書に『高齢者は社会資源だ』(ハリウコミュニケーションズ)、『フライングガールズ―高梨沙羅と女子ジャンプの挑戦―』(文藝春秋)、『メダリストに学ぶ前人未到の結果を出す力』(クロスメディア・パブリッシング)などがある。

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