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「東大サッカー部は伸びしろだらけ」 西武キャンプも驚き、走り指導のプロ・秋本真吾の発見

東大ア式蹴球部のスプリントコーチに就任

 野球ばかりではなく、同じく2月には東大ア式蹴球部(サッカー部)のスプリントコーチに就任した。

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「東大ってすごいなと思ったのがオファーをくれたのが学生だったんです」。自身のホームページの問い合わせフォームに長文メッセージが届いた。きっかけは秋本氏のnote。昨年、いわきFCがJ3で優勝した裏で実施したスプリントトレーニングを発信した投稿で、秋本氏の存在を知り「これは東大に必要だ」と打診されたという。

「東大は監督・コーチの人材は学生が選んでいるそうで、今、監督をされている林陵平さんはJリーグで300試合出場した元選手ですが、そのオファーも学生がしたと聞いています。学生のアナリストが10人くらいいて、海外を含めサッカーを徹底的に見ている。そんな中で、スプリントコーチとして僕を選んでもらい、最初にオンラインでミーティングをした時にすごく本気度を感じました。東大らしくIQが高くて、理解度も高いだろうな、合いそうだなと思い、契約しました。

 実際に指導してみても理解度は高かったです。実技の動きの変化もあったし、走るにしても考えて身体を動かすことの重要性を改めて感じました。実際、彼らは伸びしろだらけ。勉強ももちろんやっているので、基本、練習は午後5時くらいから。練習に割ける時間が限られていて、与えられた時間でどうするか、時間効率を生かす能力が高い。(本格的なトレーニングを)やってきてないからこそ、走りのエッセンスを注入することでかなり向上する可能性があると感じました」

 東京都1部に在籍する東大。秋本氏も強化のビジョンを描いている。

「いわきFCの結果を見ると、最高速度が向上した、チームの総走行距離が伸びた、怪我が減った――という点が形としてありますが、全く同じことを提供したい。チームの総走行距離はゲーム展開によって変わりますが、如実に分かる成果としては足を速くしたこと。最高速度の向上に関しては、チーム全員の足を速くすることはマスト。走りの効率性を向上させることで90分走れるようになった、脚がつらなくなった、怪我がなくなったというところ。この2点は確実にコミットできます。

 やり込んできているものがまだないので、走りに変な癖もない。例えば、いわきFCの選手はストレングスを長年やってきているので、体が大きくフィジカルも強い分、力発揮を長く続けてしまい、うまく力が抜けない。それを時間をかけて取り除いていく“引き算”でした。東大に関しては、むしろ“足し算”。ストレングスなどの体を鍛えることも必要だし、それもやったらやったで筋肉がついて、体が重くなって動かしにくくなる課題も出てきます。その調整をどうしていくかも都度考えていきます」

 では、そうして培った知見を今回の「UA MISSION RUN」でどう生かしていくのか。

(後編へ続く)
【後編】アンダーアーマーがランニング市場に本格参入 走り指導のプロ・秋本真吾との新たなる挑戦

■秋本 真吾 / Shingo Akimoto

 2012年まで400mハードルのプロ陸上選手として活躍。北京オリンピック強化指定選手にも選出。当時200mハードルアジア最高記録を樹立。引退後もマスターズ陸上に出場し、2018年世界マスターズ陸上400mハードルで7位入賞。2019年アジアマスターズ陸上100mと4×100mリレーで金メダルを獲得。引退後はスプリントコーチとしてプロ野球球団、サッカー日本代表選手、Jリーグクラブ所属選手など500人以上のプロスポーツ選手に走り方の指導を展開。2021年からサッカーJ2・いわきFCのスプリントコーチに、2023年から東京大学ア式蹴球部(サッカー部)のスプリントコーチに就任。

(THE ANSWER編集部・神原 英彰 / Hideaki Kanbara)

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