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馬場咲希を10歳から知るコーチが語る「本当の武器」 日本女子OP3位だったデータの証明

練習を苦にしないタイプ、ポジティブ思考「プロ向き」

「練習を苦にしないですし、『他の子はこんなには練習できないだろう』というぐらい、練習をしていました。そして、ノンビリしているようでポジティブ。悪いことを引きずらないんです。なので、ご両親には『ゴルファーに向いているし、プロ向きです』と伝えていました」

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 ただ、2年後に武尾氏がスクールを離れることになったため、馬場の指導を続けられなくなった。将来性を感じていた教え子のことを気にはなっていたが、別の場所で初心者から上級者までを指導。そんなある日、馬場の母親から「もう1度、見ていただきたい」との連絡が入ったという。中2になり、身長がさらに高くなっていた馬場と再会。まずは、アドレスで重心が高くならないように気を付けさせたという。

「背が高く、手足が長いと重心が高くなりがちなので、前傾の取り方をあらためて伝えました。体の力は、上半身より下半身の方が2、3倍強いので、その力を使わないとボールは飛びませんから」

 馬場のスイングはトップが浅く、長い腕、体、クラブを同調させつつ、鋭く速い腰の回転でボールを遠くに運んでいる。

「もともと、手首の運動量が少ないタイプなので、ショートトップになっています。距離が出ないことでそれに悩み、手首と右肘を多く曲げて、トップを深く入れようとした時期もありました。しかし、本人にはショートトップのスイングがフィットしていましたし、ご家族のお話もうかがい、体を作り、トレーニング的な要素を入れることで、飛距離を伸ばすようにしました。それが中3あたりです」

 高校進学の前からは、宮里藍の指導もしていた鎌田貴トレーナーに師事。武尾氏が馬場に求めていた「体幹と下半身の強化」ができる環境が整い、体重も増え、今春までにドライバー平均飛距離は約270ヤードに達した。だが、武尾氏は「彼女の武器はショットの精度」と話している。

「飛距離が話題になっていますが、本当の強みはショットの精度です。ショートトップゆえにミート率は高いですし、正確性がある。もっと、パーオン率が高いことに注目してほしいです」

 馬場は今季から国内ツアーに参戦。出場4試合のパーオン率を見ると、全米女子アマチュア選手権優勝後の凱旋試合で不振だった住友生命Vitalityレディス東海クラシック以外は、高い数値をマーク。難設定で多くの選手が苦しんだ日本女子オープンでは、決勝ラウンドに進出した64人中3位のパーオン率だった。

ヤマハレディース葛城58位 65.28%(全体21位)
ブリヂストンレディス21位 69.45%(全体4位)
住友生命Vitalityレディス東海クラシック予選落ち ※2日間で52.78%
日本女子オープン11位 66.67%(全体3位)

 住友生命Vitalityレディス東海クラシックに出場する前、武尾氏は馬場に「アライメント(体の向き)のズレ」を指摘したという。

「左を向き過ぎていたので、それを伝えました。調子が悪くなると左からフェードを打ちたくなるタイプなのですが、その分、体の回転、捻転作業の動きが変わってくるので、腕と体の運動量が合わなくなります。そうすると、振り遅れ、フェースが寝た状態でクラブが入ってくるので、右へのミスが多くなりがちです。今後、試合前にはアライメントスティックを使った練習が必要になってくるでしょう」

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