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平野歩夢、東京五輪から半年で勝てた理由 スケボー監督が見た「雪と陸」を分けない思考

2つの競技の技術をすり合わせ、新たな強みへと昇華

 年単位で競技を入れ替えるのではなく、並行して取り組む文字通りの“リアル二刀流”。それでも弱音を吐くことなく努力を続けた結果が、もともとポテンシャルの高かった平野自身を大きく成長させることになった。

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「スノーボードで培ってきたものと、スケートボードで培ってきたものが上手くミックスしている。地に足がついているという言い方は変かもしれないですけど、腰の位置が安定しているんですよね。腰の位置がフラフラしていると、スピードが出た時に安定感というのが全然違う。歩夢は腰の位置が安定していて、スピードのつけ方が非常に上手いです」と西川さんは話す。

 スノーボードとスケートボードは同じ横乗り系のスポーツ。とはいえ、道具や環境、繰り出す技まで全く異なる競技だ。しかし、2つの五輪を歩むと決めた平野は、2競技の距離をすり合わせ、他にはない強みへと変えていった。

「彼の場合は分けて考えていないと思うんですよ。スノーボードとスケートボード、雪の上と陸ということ自体を分けて考えていない。スケートボードでスノーボードの練習をして、スノーボードでスケートボードの練習をしているような共通点がある。前々から冬の五輪で、ハーフパイプで金メダルを取りたいってずっと本人も話していたので、スケートボードも練習しながらスノーボードのイメージというのはずいぶん前からあったと思います」

 冬は雪山でスノーボードを練習し、下山して、今度は室内でスケートボードに打ち込む。東京五輪を目指したことで、“ボード”に乗る時間は以前より増えていった。

「歩夢はそうやって練習してきたと聞いている。24時間横に乗っている感覚は養われたと思う」と西川さんは続けた。

 東京五輪へのチャレンジでもう1つ、手にしたものがある。

「自信ですよね。自分の目標としていたものを形にできたという1つの部分が経験値となって自信となっている。本当、有言実行だと思います」と西川さん。

 平野に報道陣から「東京を目指すのか?」との質問が飛んだのは4年前の平昌五輪だった。スノーボードに比べ、世界のレベルが高く、選手層が厚いスケートボード。その中でやると決めた平野は、自分自身と向き合いながら、階段を一つひとつ上がった。

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