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ラグビーW杯日程決定 試合順、試合間隔、開催場所が日本代表への追い風となる理由

日本代表のスローガンは前回同様“ワンチーム”に!?

 プール戦最強の相手となるイングランドとの対戦でも、日本にプラス材料がある。お互いにプールD組で2試合目となるこの試合は、日本が中6日、イングランドが中7日で迎えることになるが、藤井NTDは「この1日の差はそんなに影響ない。それよりは、最初に対戦したチームが大事」と指摘する。

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 日本代表が初戦で下位チームのアメリカ地区2位と対戦するのに対して、イングランドはW杯3位の実績を持つアルゼンチンが相手だ。この強豪との死闘による選手の消耗、負傷などのリスクがある中で日本との対戦を迎えることになる。藤井NTDは「そこはエディーさんが(様々な対策を)やってくると思うので、アドバンテージになるとは思っていない。イングランドはおそらく、そこはちゃんと調整してくると思う」と語っているが、その顔にはかすかに笑みが浮かんでいた。

 大会スケジュールの確定で、他国以上に体力を消耗するラグビースタイルと、他国以上に繊細に戦術を積み上げるジェイミージャパンが、十分な試合間隔と好立地の活動拠点を得たこと、そしてプール戦を勝ち抜くためのストーリーを持てたことは、目標の4強入りへの大きなステップと考えたい。もちろん選手層が課題のチームには、登録選手の2増加はプラス材料だ。

 それに加えて、藤井NTDへの取材で語られた今後の強化プランも紹介しておこう。

 まず、現在ニュージーランドに帰国中のジョセフHCについては、トップリーグ(TL)期間中の来日を目指しながらも、そのタイミングを模索中だ。来日しても2週間の隔離措置が必要なこと、もし再帰国する場合には、さらに母国での隔離と、合計1か月近い時間のロスが生じることになる。そして、コロナ禍の影響で、日本の就労ビザが切れているため、来日する際に必要な再発給も容易ではないことも障害になっている。

 今後の代表強化に関しては、TL終了後、選手の休養も入れながらの再開を目指すことになる。その後の実戦に6月26日に予定されているブリティッシュ・アイリッシュライオンズ戦(エディンバラ)を含めて、藤井NTDは「春の期間で、練習試合も含めてトータル4、5試合はやりたい。国内の、日本のサポーターの皆さんの前でどうしてもやりたいという思いもある」と語っている。新型コロナウイルスの影響で流動的ではあるが、6、7月の代表戦期間にテストマッチではないウォームアップゲームを行い、ライオンズに挑み、ヨーロッパ勢が候補に浮上する代表戦2試合を行うプランが練られている。

 2023年W杯の試合会場の事前視察については、同NTDは「もともと(計画が)あったが、コロナの状況がどうなるかで(流動的に)。それでも1回は行かないといけないと思っています」と現地視察には前向きで、試合会場での事前のテストマッチも視野に入れる。フランス視察時には、同国リーグで活躍するFB松島幸太朗(クレルモン・オーヴェルニュ)のプレー視察も考えていたが、現状では白紙の状態だ。

 気が早いが、大会へ向けてのフランス入りについては「あまり早く行き過ぎて、向こうでの生活がきつくならないようなスケジュールで行くのと、時差もありますし、そのあたりはしっかり解消しながらコンディションを上げられるような期間をコーチ陣が見つけていくと思う。(コンディション調整は)1週間くらいかかると思うので、国内で3週間やったら、そこにプラス1週間くらいになるんじゃないかと思う」と説明している。その一方で、フランス入り後にプレマッチの構想もあるようだ。このため、遅くても開幕の2、3週間前にはフランス入りする可能性が高い。

 2023年大会へ向けたチームスローガンについては、19年大会以降、選手が揃っての活動が休止状態のためいまだ発表はされていないが、同NTDは「そのままでいこうかと思っています」と明言。実際はコーチ、選手らの話し合いで決まることになるが、再び「ワンチーム」を掲げて再スタートすることになりそうだ。

(吉田 宏 / Hiroshi Yoshida)

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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