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100mバタフライで日本新3連発の池江 16歳スイマーはいかにして進化したのか

「いいタイミングで土台を作ることができた」

 第2段階は「パワー系の体幹トレーニング」と木場トレーナーは語る。体幹トレーニングでも負荷の高いメニューに取り組んだ。インナーマッスルの強化には、池江の持病克服の狙いもあった。

「このトレーニングで骨盤をより安定させる狙いもあります。腰痛にならないためにも長友佑都選手と同様にインナーマッスルの強化。疲れによる腰痛を出さないための取り組みです。インナーマッスルについてのレクチャーも行いました」

 第3段階は「アジリティ系の強化」。強化した体幹部分のインナーマッスルとアウターマッスルの筋力の連動性を高めるためのメニューを増やした。「反応力を高める身体づくりです」と木場氏は説明する。

 そして、最終段階は疲労回復と柔軟性の強化だった。肉体改造でパワーアップする一方で、疲弊し、傷付いた筋肉を超回復した。この取り組みで、池江は一気にたくましくなったという。その結果、高校進学直後の4月に日本選手権で五輪の切符を手にすることになった。

「いいタイミングで土台を作ることができたと思います。村上コーチの指導法とお母さんの教育と相まって、池江さんの才能はまさに開花しようとしています」

 木場トレーナーはこう語った。

 迎えたリオ本番で初日から進化の跡を見せた高校1年生。100メートルバタフライで相次いで日本記録を更新し、迎えた決勝では日本人初の56秒台をたたき出した。そんなシンデレラの躍進は綿密な計画に支えられたものだったのだ。

【了】

ジ・アンサー編集部●文 text by The Answer

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images


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木場 克己

KOBA式体幹バランストレーニング協会代表

プロトレーナー

 小2年で柔道を始め、小6の南九州柔道大会で優勝、優秀選手賞を獲得。中3で県内の大会のタイトルを優勝で飾る。全九州大会団体の部で優勝・県大会軽量級個人戦2位。高校でレスリングを始め、56キロ級九州大会で優勝。インターハイ、国体は団体戦3位。腰椎圧迫骨折で現役を退き、医療人の道へ。鍼灸師、柔道整復師、FC東京ヘッドトレーナー(95~02年)、G大阪ユーストレーニングアドバイザー(2016年~)、長友佑都専属トレーナー。

URL:http://kobakatsumi.jp/

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