“脱・厚底シューズ”をしたら練習に変化 目標は箱根5位以内、敢えて進めた「吉田抜き」が転機に

今回の箱根は3強以外混戦「5位6位もあれば、15位もある」
駅伝シーズンに入り、出雲と全日本は、ともに国学院大が優勝した。2位駒澤大、3位青学大と2大会とも結果がまったく同じで、今季は3強と言われている。
――出雲と全日本を見て、どういう感想をお持ちですか。
「上位3校と、創価大が優勝を狙えるところで、それ以下は、あまり差がないのかなと思います。そこで差がつくのが、どれだけ選手を揃え、コンディションを整えられるかというところでしょう。5位6位もあれば、15位もある。そんな箱根になりそうです」
――チームは、箱根5位以内という目標です。
「正直、5位以内は、自力では無理だと思います。全員が90%の力を発揮して、なおかつ他が自滅してくれるとその可能性があるかなと。うちは70%では通用しないので90%以上の力を出せればいい。身の丈に合った戦いをしないと失敗するので、まずは90%を出せるように日頃の練習から選手の表情をしっかりチェックして行きたいと思います」
――山の区間は、自信ありそうですね。
「前回は、足に不安のある柴田を起用しました。柴田は、ずっと足を故障していたので上り切っても下れないだろうと思っていたのですが、案の定(区間16位)そうなりました。ただ、今年は順調に来ているので、柴田に関しては問題なく5区を任せられると思います。6区は、前回は小松(裕大朗)が直前に絶不調になりまして、代えがいなかったのでそのまま起用したのですが、ここも案の定ダメ(区間16位)でしたね。小松もここにきて、調子が上がっているので、山は両方で良い準備をして結果を出していきたいと思います」
――悩む区間はありますか。
「うちは1区ですね。前回は稲見(峻)を起用して失敗したので、1年かけてもう1回と思ったのですが、故障してしまったので。出雲と全日本はスローペースになったので、箱根もと思って油断していると危ないですね。ハイペースにならないと決めつけるのが良くないので、どちらでもいけるように準備したいところですが、1区をどうするのかが一番の懸念材料です」
――最終的には箱根の総合優勝が目標になりますか。
「いや、優勝は無理ですね。若い頃は、そう思っていましたけど、今、冷静に考えると無理でしょう。留学生を連れてくればそのチャンスがあるかもしれないですけど、私はそうまでして勝ちたいと思いません。私は、今の大学では箱根に出続けることに意味があると思いますし、そのなかで学生が5位を目指したいとか、目標に向かって頑張ってもらうことで十分じゃないかなと思うんです。大学時代、優勝できなくても実業団で五輪とかに出てもらって活躍してくれた方が私はうれしいですし、選手にとってもいいことだと思うんです。だから昔も今も箱根はあくまで通過点という位置付けは変わりません。ただ、そこに甘えることもしたくないので今年も勝負していきたいと思います」
(終わり)
■川崎 勇二 / Yuji Kawasaki
1962年7月18日、広島市生まれ。報徳学園高(兵庫)で全国高校駅伝に出場するなど活躍し、順大では3年生だった1984年箱根駅伝に出場(7区区間9位)。卒業後の1985年に中央学院大の常勤助手になり、駅伝部コーチに。1992年に監督就任。1994年に箱根駅伝初出場を果たす。2003年からの18年連続を含め、今回で計24度目の出場。2015年から5年連続シード権を獲得し、最高成績は2008年の3位。現在は法学部教授として教鞭を執る。
(佐藤 俊 / Shun Sato)
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