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「創価大と聞いて一番心配されるのは…」 競争激化の大学駅伝、監督が明かす新興校のスカウト事情

入部は毎年12名程度、すべて特待生の扱い

――今の高校生はSNSから多くの情報を得ていますが、創価大も積極的に活用していますか。

「私自身は以前、SNSはそれほどやっていなかったのですが、創価で指導を始めてからSNSを頑張ってやるようにしています。うちの選手もやっていますが、彼らが発信することで創価大はこういう雰囲気でやっているというのが見えてきます。そういうのを見て、うちの大学の理解を深めてほしいので、うちはSNSについては積極的に活用するようにしています」

 創価大の陸上部は毎年12名程度、すべて特待生の扱いで一般学生は入部不可になっている。基本的に寮生活なので、そこに入り切る人数しか取らない。タイムの基準は特にないが、榎木監督が就任した1年目の5000メートルの平均タイムは14分40秒、今は14分20秒になるという。13分台の選手はまだおらず、榎木監督はその第1号を楽しみにしている。

――レベルの高い選手は、他大学と競合になります。

「前は駒澤大、青学大、中央大のいわゆる伝統校と呼ばれる大学と競合すると、ほぼ100%負けていたんです。でも、箱根駅伝の出場校として定着し始めてからは、8対2ぐらいの割合になってきましたね。高校の先生には『強いチームに行って強くなるのは当たり前、うちは新興校でこれから新しいことにチャレンジしていくので、駒澤、青学、中央に立ち向かって勝ちたい、そういう気持ちの強い選手を集めたい』という話をします。そこに食いついてくれる子は、強豪校を倒したいという気持ちで来てくれるので、練習にも意欲的に取り組んでくれるので大きな戦力になります」

――箱根定着は、スカウティングに与える影響が大きいということですか。

「そうですね。就任1年目の時は予選会からの学校だったので、箱根駅伝を目指している大学としか言えなかったんです(苦笑)。でも、予選会を突破して、シード権を獲って、箱根に定着し、全日本大学駅伝のシード権も得るようになってからは、箱根だけじゃなく3大駅伝の常連校というところがようやく言えるようになりました。やはり高校生は、箱根を含めて駅伝を走りたいという子が多いので、それはすごく大きなアピールになりますね」

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榎木 和貴

創価大 陸上競技部 駅伝部監督 
1974年6月7日生まれ、宮崎県出身。現役時代は箱根駅伝で史上7人目となる4年連続区間賞獲得など、中央大の主力として活躍。3年時の96年大会では4区を走り、32年ぶり14回目の総合優勝に貢献した。卒業後は旭化成に進み、2000年の別府大分毎日マラソンでは2時間10分44秒で優勝。その後は負傷にも苦しみながら沖電気、トヨタ紡織で指導者としての実績も積み上げると、19年に創価大駅伝部の監督に就任した。21年の箱根駅伝で往路優勝、総合2位とチームを過去最高成績へと押し上げる。今季も出雲駅伝2位、全日本大学駅伝6位と上位争いを演じている。

佐藤 俊

1963年生まれ。青山学院大学経営学部を卒業後、出版社勤務を経て1993年にフリーランスとして独立。W杯や五輪を現地取材するなどサッカーを中心に追いながら、大学駅伝などの陸上競技や卓球、伝統芸能まで幅広く執筆する。『箱根0区を駆ける者たち』(幻冬舎)、『学ぶ人 宮本恒靖』(文藝春秋)、『越境フットボーラー』(角川書店)、『箱根奪取』(集英社)など著書多数。2019年からは自ら本格的にマラソンを始め、記録更新を追い求めている。

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