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欧州サッカーで進むクラブと大学の提携 異分野の頭脳も集結、日本の“先を行く”研究

サウサンプトン・ソレント大学(現ソレント大学)に在籍した4年間で、塚本修太は日英の文化の違いを痛感した。

大学在籍中に多くのクラブを視察した塚本修太【写真:本人提供】
大学在籍中に多くのクラブを視察した塚本修太【写真:本人提供】

【英国でサッカー学を修得した23歳の挑戦|第5回】大学在学中に外へ飛び出し、多くのクラブを視察

 サウサンプトン・ソレント大学(現ソレント大学)に在籍した4年間で、塚本修太は日英の文化の違いを痛感した。

 日本では勉強でもサッカーでも、先生や指導者の言うことを疑うことなく受け入れていた。だが英国では、幼少時から個々が自分で考え意見を持ち、議論することに慣れていた。象徴的なのが大学の授業だった。そこは教授の講義を聞きに行くのではなく、学生たちが持ち寄った情報を交換する場所で、出席者全員に発言を求められた。

 塚本も大学の授業を有効活用するために、積極的に外に飛び出した。近隣のクラブに止まらず、国内ではアーセナル、チェルシー、リーズなどで活躍するコーチと交流を持ち、さらには国境を越えてアヤックス(オランダ)、ディナモ・ザグレブ(クロアチア)、エスパニョール(スペイン)、ブレーメン(ドイツ)など多くのクラブへ視察に出た。またいくつものカンファレンスやサミットに出席し、様々な論文に目を通してきた。

「現在欧州ではトップクラブが大学と提携して研究を進めています。特に英国では大学がプレミアリーグへのインターンシップを実現させる権限を有し、一方でクラブ側も進めたい研究を大学に託すケースが増えている。こうしてサウサンプトンのスタッフが論文を仕上げたり、国外ではバルセロナが大学と協力して論文を発表したりしています」

 マインツ大学(ドイツ)には、現在のバルセロナで基盤となる「ディファレンシャル・トレーニング」を編み出し、ユルゲン・クロップ(リバプール監督)やトーマス・トゥヘル(パリ・サンジェルマン監督)らが師と仰ぐウォルフガング・シェルホルムという学者がいて、塚本もオンラインで受講し資格を取得した。

「運動学習の研究を進めている方で、トップアスリートはどう動くのか、どんなトレーニングがスキル獲得に効率的なのか、などについて発表しています。サッカーに限らず、バレー、テニス、クライミングなど様々な分野に多大な影響を与えています」

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加部 究

1958年生まれ。大学卒業後、スポーツ新聞社に勤めるが86年メキシコW杯を観戦するために3年で退社。その後フリーランスのスポーツライターに転身し、W杯は7回現地取材した。育成年代にも造詣が深く、多くの指導者と親交が深い。指導者、選手ら約150人にロングインタビューを実施。長男は元Jリーガーの加部未蘭。最近東京五輪からプラチナ世代まで約半世紀の歴史群像劇49編を収めた『日本サッカー戦記~青銅の時代から新世紀へ』(カンゼン)を上梓。『サッカー通訳戦記』『それでも「美談」になる高校サッカーの非常識』(ともにカンゼン)、『大和魂のモダンサッカー』『サッカー移民』(ともに双葉社)、『祝祭』(小学館文庫)など著書多数。

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