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エディーHCが思う日本の部活 20年変わらない疑問と「言われた事をよく聞く日本人」

上意下達で試合の理解度は深まるか、「言われたことをよく聞く日本人」の課題

「そのやり方では、結果が早く出るかもしれない。日本人は言われたことをよく聞くので、言われた通りにやることができるからだ。ただ、試合への理解度が深まらないかもしれない。ラグビーに関していえば、コーチがメインになっているスポーツではない。選手がメインになってやらないといけない。サッカーも同じように思う」

 目先の結果という“即効性”のメリットはあるが、それは競技を高度に理解し、長期的な選手の成長を阻むデメリットがあると見ている。特に、ラグビー、サッカーのようにプレー中は選手の主体性が求められる競技では、なおさらのこと。指導者にとって難しい課題ではある。

 では“上意下達の指導”を脱していくため、世界一の経験を持つ名将が思う一流の指導者のあるべき姿とは何なのか。ジョーンズ氏は「2つの条件」を挙げてくれた。

「まずは知識を持っていること。そして、相手を勇気づけ、モチベーションを高めるマネジメントスキル。それは選手はもちろん、スタッフ、環境に対してもすべきことだ」

 競技に対する深い知識と、選手を掌握するマネジメント――。それこそが重要になるという。実際、日本の指導者を見て、足りないと感じる部分があるという。冷静な口ぶりで現状を分析し、弱点を指摘した。

「知識はあると思う。少し不足しているのはマネジメントの部分だ。もっとやる気を出させるようになれる。日本の伝統的な指導法は上から言うこと。30年前は機能したかもしれない。しかし、今は人間関係が重視され、教育のスタイルも変わっている。上からではなく、巧みに誘導しながら選手が学びを得られるようにすべきだ」

 では、指導者は選手とどう接するべきなのか。ここに“エディー流”のコミュニケーションの秘訣がある。「指導者が言葉を発する時、ただ淡々と言うのではなく、ポジティブな効果を得たいのであれば、言葉の選択に気をつけるべきだ。反対も同様。ネガティブな効果を与えたい時も、言葉に気をつけている必要がある」と言う。

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エディー・ジョーンズ

THE ANSWERスペシャリスト ラグビー指導者

1960年1月30日生まれ。豪州出身。現役時代はフッカーを務め、ニューサウスウェールズ州代表。92年引退。教職を経て、96年に東海大コーチになり、指導者の道へ。スーパーラグビーのブランビーズなどを経て、01年豪州代表HC就任。03年W杯準優勝。イングランドのサラセンズ、日本のサントリーなどを経て、12年日本代表HC就任。15年W杯は「ブライトンの奇跡」と呼ばれる南アフリカ戦勝利を達成した。同年、イングランド代表HCに就任し、19年W杯は自身2度目の準優勝。近著に「プレッシャーの力」(ワニブックス)。

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