「辞めようかな」よぎった引退→日本一 152cmの女子高生ハードラー、覆した「低身長=不利」の常識――長崎日大・吉永優衣

低身長に悩みも…「タイムも順位も狙えることを証明できた」
身長は152センチ。女傑シェリーアン・フレイザープライス(ジャマイカ)と同じサイズだが、ハードルでは不利な低身長も苦しむ要因の一つだった。
高さ83.8センチのハードルを越えるためには、より上方向に跳ぶ必要があり、前への推進力が落ちやすい。疲労が溜まると足が上がらなくなり、高身長な選手よりもバネや筋肉が必要になる。
身長を理由に逃げ出したくなる時もあった。そんな時、救ってくれたのはコーチの一言だった。
「100メートルの走力がある。技術を磨いたら絶対にまたトップレベルで戦えるようになる」
一度失った自信は取り戻せる。弱みを見つめるより、強みをさらに伸ばす道を選んだ。
ストライドを伸ばし、骨盤を動かすトレーニングを重ねた。一番の強みである股関節の可動域や、無駄な力を使わない強力なバネを強化。高校トップを目指せる身体を作り上げた。

この種目の2冠は、2007年の寺田明日香以来19年ぶり2人目。大会MVPに選出され、陸上界のスター候補に名乗りを上げた吉永は「ハードルは身長が高い人が活躍するイメージがあると思う。低くてもタイムも順位も狙えることを証明できたかな」と3年間の成長と努力に胸を張る。
大接戦で100メートル優勝が確定した瞬間には「きゃあああ」と歓喜して飛び跳ね、テレビカメラの前に立っても笑顔で母校の「N」ポーズを決めた天真爛漫な高校3年生。
「この結果をプレッシャーに感じず、もう一度日本一を目指して頑張っていきたい」
日本代表や世界など、遠い将来のことはまだ考えない。これからの人生に立ちはだかるハードルも、一つ一つ越えてみせる。
(THE ANSWER編集部・戸田 湧大 / Yudai Toda)
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