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わずか1試合で降格「明日からBね」 滅多打ち、自宅で大号泣…神奈川シード校のエース誕生秘話――三浦学苑・佐藤摩弥

高校野球の第108回全国選手権神奈川大会は13日、バッティングパレス相石スタジアムひらつかで3回戦が行われ、三浦学苑が6-0で旭丘に勝利した。先発したエース・佐藤摩弥(3年)は9回1安打無失点の快投。シード校の背番号1を手にした左腕は、涙に暮れた“人生最大の挫折”から大きく成長した。(取材・文=THE ANSWER編集部・戸田 湧大)

旭丘戦で9回完封の快投を披露した三浦学苑・佐藤摩弥【写真:戸田湧大】
旭丘戦で9回完封の快投を披露した三浦学苑・佐藤摩弥【写真:戸田湧大】

第108回全国高校野球選手権・神奈川大会

 高校野球の第108回全国選手権神奈川大会は13日、バッティングパレス相石スタジアムひらつかで3回戦が行われ、三浦学苑が6-0で旭丘に勝利した。先発したエース・佐藤摩弥(3年)は9回1安打無失点の快投。シード校の背番号1を手にした左腕は、涙に暮れた“人生最大の挫折”から大きく成長した。(取材・文=THE ANSWER編集部・戸田 湧大)

 小気味良いテンポで凡打を量産した。出塁を許したのはわずか3度。唯一の被安打は、三塁ベースに打球が当たる不運だった。しかし意外にも自己評価は辛口。「立ち上がりはあまり良くなかった。球速や球の勢いをもっと上げていかないと」。投球数93とスイスイ投げ切ったが、それにしても涼しげな顔で反省を口にした。

 最速137キロ。今でこそ強豪でエースナンバーを背負うが、昨年大きな挫折を味わった。

 中学時代は県内有数の強豪・横浜メビウスでプレー。三浦学苑でも順調に成長し、高2の春にAチーム行きの切符をゲット。直後に向上との練習試合で先発するチャンスを得た。だが初回に滅多打ちで大量失点を喫し、早期降板。「明日からB(チーム)ね」。試合直後、そう告げられた瞬間は今でも忘れられない。

「自信が全くなかった。自分が投げていていいのかって。それがマウンドに表れていた」。自宅に帰ると人目をはばからず号泣するほどショックは深かった。

 力を出し切れなかった要因の一つが、過度に緊張してしまう自身の性格。悩んだ末、仲間に助けを仰いだ。「周りを見させたり、自分を笑わせるような声かけをして欲しい」。頼もしいチームメートは即対応。試合中、ベンチからの声に耳を傾ければ、自然と精神的にも安定した。

 もちろん自らの努力も欠かさない。厳しい練習を終え、毎晩9時から1時間、チューブや鉄アレイで入念な筋力トレーニングを行い、体重は入学時から8キロ増加。球速も10キロ上がった。

 適度な自信が生じ、好結果に繋がった。昨夏のベンチ入りは逃したが、秋季大会では3回戦の武相戦で8回1失点。続く日大藤沢戦では完封勝利。強豪相手に好投を続け、見事にエースの座を掴み取った。「自分でも抑えてチームを勝たせることが出来るんだ」。投手として確かに手ごたえをつかんだ瞬間だった。

 次戦は16日に麻布大付と対戦する。「この期間で修正して、もっといいピッチングをしようと思います」。エースとしての自信と自覚を手にし、初めての甲子園へチームを導く。

(THE ANSWER編集部・戸田 湧大 / Yudai Toda)

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