衝撃のコールド負けから始まった“変革” 2年連続夏4強、向上の挫折と再起…3時間ミーティングで見つけた原点
高校野球の第108回全国選手権神奈川大会は11日、中栄信金スタジアム秦野で2回戦が行われ、2年連続で夏の県4強まで進出している向上が、11-1で平塚湘風に5回コールド勝ちした。横浜創学館に初戦コールド負けを喫した春季県大会から約3か月、選手たちが悔しさをエネルギーに変えられた裏には、敗戦翌日に敢行した3時間のミーティングがあった。(取材・文=THE ANSWER編集部・戸田 湧大)

第108回全国高校野球選手権・神奈川大会
高校野球の第108回全国選手権神奈川大会は11日、中栄信金スタジアム秦野で2回戦が行われ、2年連続で夏の県4強まで進出している向上が、11-1で平塚湘風に5回コールド勝ちした。横浜創学館に初戦コールド負けを喫した春季県大会から約3か月、選手たちが悔しさをエネルギーに変えられた裏には、敗戦翌日に敢行した3時間のミーティングがあった。(取材・文=THE ANSWER編集部・戸田 湧大)
同じ過ちは二度と繰り返さない。向上は初回に1点を先制されたが、その裏に打線が爆発した。無死二塁から「2番・二塁」の吉田開信(1年)が左翼へ同点二塁打。打順が一回りした2死一、二塁からは「1番・中堅」の細谷恒希(2年)が右中間へ2点三塁打。この回5安打、7得点の猛攻で主導権を握り、そのまま押し切った。
試合後の平田隆康監督は「春の課題を(克服するために)ずっと3か月間やってきたのが、大会で出るのは1つ大きな自信になる」とホッとした表情を浮かべた。その裏には、約3か月前に喫した屈辱の敗戦がある。
春季神奈川大会の初戦、のちに準優勝する横浜創学館に7回コールド負けを喫した。2年連続で夏の県4強まで進出している強豪が、初回から打者一巡の猛攻を食らい、0-8の大敗。紙面やネットニュースに躍った「7回コールド負け」の8文字が選手や高校野球ファンに与えた衝撃は、決して小さくなかった。
ナインと監督は、試合翌日に3時間のミーティングを敢行。「足元をちゃんと見なくてはいけない」との方向性を導き出した。月曜日の午前に選手ミーティング、土曜日の朝にはリーダーミーティングと、お互いを知ることに時間を費やした。平田監督も毎日選手と面談を行い、コミュニケーションの機会を意識的に増やした。やがて「言葉がなくても分かり合えたりすることも増えた」と言うのは、主将の高林惺真(3年)。3か月での“変革”に充実感を漂わせる。
新たな取り組みにも着手した。選手が提案して始めたのが、毎日20分ほどの校内清掃をはじめとした「環境整備」だ。平田監督は「今までもやっていなかったわけではない」と前置きしつつ「試合に負け、野球がうまくなりたいと思えば、技術練習ばかりに走る。それでもまずは自分たちの身の回りをきれいにしよう、人としての思いやりを持とうとか。おろそかにしていた部分があるんじゃないか」と、プレー以前の部分で同じ方向を向く必要性を説く。
次は14日にアレセイアと対戦する。高林は「自分たちの大事にしているところを出し切りたい。夏の大会でもう1回見てほしいなと思います」と、生まれ変わった向上をアピール。大敗から続けてきた取り組みに自信をのぞかせた。初の甲子園出場へ、ノーシードから立ち上がった強豪が激戦区・神奈川に旋風を巻き起こす。
(THE ANSWER編集部・戸田 湧大 / Yudai Toda)
![[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト](https://the-ans.jp/wp-content/themes/the-answer-pc-v2/common/img/logo_c1.png)








