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進学校で指導者不在、1人で公園走り全国6位に 褒めも怒られもしない環境「自分を裏切りたくない」知った努力の価値――中大・武田胡春

大学卒業後も「実業団に入って走り続けたい」と話す【写真:中戸川知世】
大学卒業後も「実業団に入って走り続けたい」と話す【写真:中戸川知世】

勉強と陸上の両立で睡眠時間が2、3時間になることも…

 練習場所となったのは、犬の散歩に訪れるような“普通”の公園。授業を終えると、2キロ程度をジョグで移動した。「その時は『きついことをやればいいんだ!』と思っていて、毎日嫌いな練習をやっていた」。芝生をぐるっと囲む1周450メートルのタータンをひたすら走り続けた。

 進学校が故に勉強も必須。毎朝7時から始まる朝講習にも参加した。帰宅後は課題や小テストの勉強をこなし、睡眠時間が2、3時間になる日も。心が折れそうになったことは何度もある。それでも夢舞台で走る自分をイメージして気持ちを繋いだ。

 練習をしなくても怒られないし、頑張っても褒められない。全ては自分次第。そんな環境でも踏ん張れたのは「自分を裏切りたくない」という気持ちがあったからだ。

 高校2年でインターハイに初出場。3年時には留学生ランナーと渡り合い、6位入賞を果たした。

「努力は裏切らない。自分次第で限界はないと学ぶことができた」

 中大に進学し、今は切磋琢磨できる仲間と走っている。「長距離は仲間がいるから追い込める。自分にとってはプラスしかない。良い環境に入れてもらった」。中学での競技引退も考えたランナーは今、「大学を卒業しても実業団に入って走り続けたい」と笑顔を見せる。

 可能性は無限大――。どんな逆境でも自分次第で乗り越えられることを武田の走りが証明している。

(THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂 / Kaho Yamanobe)

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