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4か国語操る市立船橋GKギマラエス・ニコラス 憧れを追った名門校で学んだ真の“話す力”【高校サッカー】

第102回全国高校サッカー選手権は4日、千葉・柏の葉公園総合競技場で準々決勝が行われ、第1試合は市立船橋(千葉)が名古屋(愛知)に2-1で勝利を収め、4強入りを決めた。守護神としてゴールマウスに立ちはだかったGKギマラエス・ニコラス(2年)は前半終了間際に同点弾を許すも、後半2分に味方が勝ち越した1点を守り抜いた。憧れの存在に魅了されて名門校に入学し、2年でつかんだ国立競技場のキップ。4か国語を操り、あふれるサッカー愛で夢にまた一歩近づいた。

市立船橋のGKギマラエス・ニコラス【写真:山野邊佳穂】
市立船橋のGKギマラエス・ニコラス【写真:山野邊佳穂】

準々決勝で名古屋を破って国立競技場のピッチへ

 第102回全国高校サッカー選手権は4日、千葉・柏の葉公園総合競技場で準々決勝が行われ、第1試合は市立船橋(千葉)が名古屋(愛知)に2-1で勝利を収め、4強入りを決めた。守護神としてゴールマウスに立ちはだかったGKギマラエス・ニコラス(2年)は前半終了間際に同点弾を許すも、後半2分に味方が勝ち越した1点を守り抜いた。憧れの存在に魅了されて名門校に入学し、2年でつかんだ国立競技場のキップ。4か国語を操り、あふれるサッカー愛で夢にまた一歩近づいた。

 憧れの国立競技場に手が届いた。簡単に辿り着ける場所ではない特別な舞台。しかし試合後は喜びよりも「チームを苦しめてしまった」と反省が口をついた。チームは前半21分に先制するも、同終了間際に相手のロングスローから失点。それでも後半開始直後に味方の勝ち越しゴールで流れを引き戻すと、守備陣は終盤の猛攻を耐え抜き、勝利のホイッスルを聞いた。

 ブラジル人の父とフィリピン人の母を持つニコラスは、日本で生まれ育ち、4か国語を操る“クワドリンガル”。2歳の頃にサッカー経験者の父の影響でボールを蹴り始めると、サッカー一筋の生活を送ってきた。一人の時間には、試合の振り返りや相手の分析をひたすら行う。サッカー愛にあふれる17歳だ。

 まだ中学生だった3年前、高校選手権で市船―帝京長岡(新潟)を観戦。そこで「すごいシュートを止めていた」と当時の市船の守護神・細江彦太さんに魅了された。その試合、市船は敗戦。沸き立った感情は悔しさだった。「市船に入って全国優勝したい」。名門校の門を叩く決意をした。

 入部を果たし、自分に「知識も技術もたくさんの学びを与えてくれる」存在に出会った。曽我光利GKコーチから多くのものを吸収。2年生で守護神を任されるまでに成長させてもらった。

 曽我コーチから教わったものは他にもある。それが会話の大切さ。チームメートからは「おとなしい」と言われるが「普段からいろいろな人と話して、試合中受け入れてもらえるように」と、積極的に接することを心がけた。それが実を結び、3年生との絆も深まった。4か国語を話せる17歳が学んだ本当の意味でのコミュニケーション。プレーだけでなく、人としても信頼を勝ち取った。

 ようやくつかんだ国立競技場へのキップ。6日に行われる準決勝では優勝候補の青森山田と激突する。名門校の守護神としてプレッシャーは「もちろんある」と不安な気持ちは隠さない。それでも「3年生が目指しているのは優勝なので、そこへ向けて自分も一員としてやっていきたい」。優勝した2011年以来の決勝進出に向け、名門校のゴールを守り抜く覚悟はできている。

(THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂 / Kaho Yamanobe)

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