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大阪桐蔭って本当に「存在するんだ」 帽子に「魔王」、記者も虜にした関東第一エース・坂井遼の人柄

野球の明治神宮大会(神宮)は15日、高校の部1回戦で関東第一(東京)が熊本国府(九州)に6-2で勝利。17日の2回戦で大阪桐蔭(近畿)と対戦する。5回から2番手で登板したエース・坂井遼(2年)は人生初の全国で5イニング2失点と好投した投球術もさることながら、試合後はそのキャラクターで報道陣も虜にした。

5回から2番手で登板したエース・坂井遼【写真 小林靖】
5回から2番手で登板したエース・坂井遼【写真 小林靖】

熊本国府戦で明治神宮大会初勝利

 野球の明治神宮大会(神宮)は15日、高校の部1回戦で関東第一(東京)が熊本国府(九州)に6-2で勝利。17日の2回戦で大阪桐蔭(近畿)と対戦する。5回から2番手で登板したエース・坂井遼(2年)は人生初の全国で5イニング2失点と好投した投球術もさることながら、試合後はそのキャラクターで報道陣も虜にした。

「絶対、カバーしてやる」。坂井がギアを上げたのは9回だ。先頭を味方のエラーで出塁されるも、続く打者を渾身の134キロ直球で併殺、最後はスライダーで空振り三振。チームを大会初勝利へ導いた。殊勲の背番号1は「(初の全国マウンドは)怖かった。猛者ばかりで、とても緊張した」と言うが、堂々の5イニングだった。

 山本由伸(オリックス)に憧れる右腕の持ち味は最速145キロの直球と、夏から磨いてきた粘り強さだ。今夏の東東京5回戦・日大豊山戦の延長10回タイブレークで登板し、3失点。先輩たちの夏を終わらせてしまった悔しさから、気持ちを前面に出す投球に。要所で「オラッ!」と声を上げてピンチで強さを発揮し、秋の東京大会制覇に導いた。

ストレートや気持ちの強さが持ち味の坂井【写真 小林靖】
ストレートや気持ちの強さが持ち味の坂井【写真 小林靖】

 試合後の囲み取材では、坂井の愛嬌が炸裂した。次戦で対戦するのは大阪桐蔭。前日に行われた開会式で実際にナインと遭遇した。「(大阪桐蔭が)いるのか分からなくて。開会式にいて、存在するんだと思った。テレビでしか見たことなくて」と素直すぎる回答。大会3連覇を目指す王者の存在を「芸能人かと思いました」と言い、笑いを誘った。

 さらに特徴的なのは帽子のツバの裏にびっしりと書いた文字。その中央には「魔王」の漢字2文字があった。「自分が支配するという意味で……」と答えたが、どこか恥ずかしそう。というのも、これが以前から注目され、この日のネット中継でも紹介された。「ふざけて書いたら、ちょっと広まっちゃいました」と照れ笑いした。

 それでも、高卒プロ入りを目指す大器は全国の舞台に闘志を隠さない。「アピールしたいです。自分の真っすぐや気持ちの強さを見てほしい」と言い、次戦に向けて「大阪桐蔭を抑えると考えると、わくわくしてたまらない」と気合十分だ。言葉でも投球でも見る者を虜にする関東第一のエースが、次なる大一番もゲームを支配する。

(THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂 / Kaho Yamanobe)

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