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「大嫌いやったよトルシエ。でもベトナム強くなったな」 天敵の久保竜彦も驚いた、優しくなった赤鬼の魔術

サッカー・アジアカップカタール大会は14日、グループリーグ初戦で世界ランク17位・日本が同94位・ベトナムに4-2で白星発進した。一時逆転を許しながら再逆転で勝利を飾ったアジアNo.1への船出。2022年のワールドカップ(W杯)カタール大会で独自の解説がひそかに話題となった元日本代表FW久保竜彦が1年ぶりに東京・中目黒にあるTHE ANSWER編集部を訪問し、試合を観戦。日本の初戦を分析した。全3回の第1回。現役時代、2002年日韓W杯を目指した日本代表でプレーし、当時は指揮官としてソリが合わず“天敵”だったフィリップ・トルシエ監督が進化させたベトナムサッカーに受けた驚きと思い出を語った。(取材・構成=THE ANSWER編集部・神原 英彰)

ファム・トゥアン・ハイのゴールで一時逆転に成功し歓喜するベトナム代表【写真:ロイター】
ファム・トゥアン・ハイのゴールで一時逆転に成功し歓喜するベトナム代表【写真:ロイター】

ドラゴン久保のアジアカップ・日本―ベトナム戦分析第1回

 サッカー・アジアカップカタール大会は14日、グループリーグ初戦で世界ランク17位・日本が同94位・ベトナムに4-2で白星発進した。一時逆転を許しながら再逆転で勝利を飾ったアジアNo.1への船出。2022年のワールドカップ(W杯)カタール大会で独自の解説がひそかに話題となった元日本代表FW久保竜彦が1年ぶりに東京・中目黒にあるTHE ANSWER編集部を訪問し、試合を観戦。日本の初戦を分析した。全3回の第1回。現役時代、2002年日韓W杯を目指した日本代表でプレーし、当時は指揮官としてソリが合わず“天敵”だったフィリップ・トルシエ監督が進化させたベトナムサッカーに受けた驚きと思い出を語った。(取材・構成=THE ANSWER編集部・神原 英彰)

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 トルシエ。今、ベトナムの監督なんか。びっくりした。知らんかった、今日ここに来るまで。いつからやっとるんよ?

(「赤鬼」と呼ばれた人柄は)優しそうな感じになっとったけど、(日本代表の戦術だった)フラット3は変わらんかった。日本のフラット3より5バックっぽくなってはいたけど。今日みたいなカバーリングはずっと言われてた。俺もずっと言われたもんね、FWでも。基礎の基礎っていうのは変わってないんよな。

 はっきり言って、当時は全然好かん。大嫌いやった。ダバディーは好きやったけど。

「相手のユニホーム引きちぎるくらいで行け」「足を狙え」って闘うスタイルはええと思うんやけど、(人見知りの自分に)「もっと話せ!」ってめっちゃ言ってきて。でも代表に知っとる人おらんし、しゃべる人おらんし。「帰れ!」って言うから、そら帰りたくなったよ。

 一番覚えとるんは、何をしたのかは忘れたけど、練習で怒られてトルシエに胸ぐら掴まれて、体をぐわんぐわん揺らされて。ダバディが「タツ、オコらないでー!」って言いながら、通訳してくれた。ただ、あんときは、自分もダメな若者やったから。

 いまだに時々、電話あるけんね。2、3年前も俺の知り合いがやってるフランス料理屋の店から電話かけてきて。「こんばんはー」言うて話したけど、もうかけてこんくてええかな。でも、引退する時も連絡くれたし、そうやって気にかけてくれるのはありがたいよね。

 今、68歳? それで勝ちたいと思って監督やってるんやから、勝負が好きなんやろうし、凄いよね。

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