加部 究の記事一覧
-
ベンチからの指示は「選手の判断を奪う」 “押しつけ”ではない議論できる部活へ
2018.06.04堀越高校サッカー部は、試合が始まればピッチ上のゲームキャプテンを中心に、変更修正を施して行く。佐藤実(まこと)監督は言う。 「外から見ていて情報は与えますが、整理して取捨選択するのは選手です。それにピッチの中の方がリアルな情報を感じ取っています。例えば相手のFWの強さ、威圧感は、直に戦っているからこそ分かる。だからラインを下げるのか、いやオフサイドを取れているから高い設定のままで良いのか。その判断はピッチ上の選手の方が的確に感じ取れている。それなのに外から無理に『ラインを上げろ!』は、押しつけになりますよね。選手の判断を奪うことにつながりかねないですよね」
-
選手が「燃え尽きない」部活の姿 「スポーツが楽しいと知らずに辞めるのは可哀想」
2018.05.27選手主体のボトムアップ方式は「放任」との誤解を招く危険性もある。結果を求める父兄から、時には「もっと教えて欲しい」という声も漏れ伝わってくる。
-
「サッカーを深く考えてこなかった」と痛感 “選手主体”託された元主将の濃密な1年
2018.05.20堀越高校サッカー部監督の佐藤実(まこと)は、指導者が主導するトップダウンから、選手主体のボトムアップ方式への転換の機会を探っていた。そして低調な内容の試合の後に、怒りをぶつけるように敢えて選手たちに主導権を投げつけた。
-
高校サッカー強豪校が挑む「新しい部活の形」 熱血指導の限界と選手主体の可能性
2018.05.16佐藤実(まこと)は、まだ部活が根性主義に染まり切っていた24年前に堀越高校を卒業した。上意下達が徹底され、監督が水を飲むのを禁じれば、従うしかない時代だった。 「良い選手が集まり、みんなで話し合うと面白い発見があり、自分たちでサッカーを作っていける感触があった。でも、そういうわけにはいかず、不完全燃焼のままもやもやした気分で卒業しました」
-
「あのFKが入っていれば…」 三都主の記憶に刻まれる、日韓W杯トルコ戦の残像
2018.05.06三都主アレサンドロは、すでに来日前にプロデビューを果たしていた。パラナ州マリンガにある「グレミオ」という小さなクラブで、もちろんクラブ世界一になった同名の名門ではないが、センターバックでプレーした。ところがそれから明徳義塾高校の北村保夫部長と、カルロス監督の目に留まり、日本で高校生になった。
-
「日本代表監督は男冥利に尽きる」 理想を捨て“不細工なサッカー”に徹した知将の美学
2018.04.29石井のキャリアを考えれば、当然の決意だった。1977-78シーズンのJSL(日本サッカーリーグ)で自ら指揮を執るフジタ(現・湘南ベルマーレ)は、シーズン最多得点を積み上げる圧倒的な攻撃力を見せつけて優勝を飾っている。数年前のインタビューでも、それを懐かしそうに語っていた。
-
日本代表と外国人監督 「なんでも聞いてくれ」の先で起きた24年前の解任劇
2018.04.19「分からなかったら、なんでも聞いてくれ。ファルカンはくどいほど繰り返していました」――アデマール・マリーニョ 外国人監督がコミュニケーション不足を理由に解任されたのは、今回のバヒド・ハリルホジッチが初めてではない。1994年、「ドーハの悲劇」(※93年アメリカW杯アジア最終予選、イラクとの最終戦で土壇場で2-2に追いつかれ出場権を逃す)の後で日本代表監督を引き継いだファルカンが解任された際にも、同じ理由が添えられた。
-
「サッカーの故障の80%は防げる」 オランダ人指導者が掲げた“選手目線”の理論とは
2018.04.08レイモンド・フェルハイエンは、サッカーのピリオダイゼーション理論を確立し、この理論はオランダで指導者ライセンスの必須項目となった。
-
サッカーの練習に走りの“量”は必要なし オランダの無名指導者が変えた旧来の常識
2018.03.31レイモンド・フェルハイエンは、オランダのU-17代表に選ばれたが、その直後には故障で選手生活を断たれてしまった。なぜ、こんなことになったのか、彼は自分が取り組んできたトレーニングに疑問を抱き、サッカーの「ピリオダイゼーション理論」を確立し、26歳でオランダサッカー協会(KNVB)の指導者への講師に抜擢されている。
-
日本サッカーの真の底上げとは ブラジル帰りの元プロ選手が感じる育成年代の課題
2018.03.13育成年代では焦らずに基本を身に着けさせることが大切なのは、大半の指導者が認識している。しかし檜垣裕志(明光サッカースクール・ヘッドコーチ)は「本当の基本とは何か。それが浸透していない」と感じている。
-
17歳でサッカーを始めブラジルへ 「リフティングができない」日本人が見た“本物の技術”
2018.02.28「明光サッカースクール」でヘッドコーチを務める檜垣裕志がサッカーを始めたのは、17歳と極端に遅かった。
-
世界の一流は「利き足で仕掛ける」 ブラジルの元プロ選手が抱く日本流両足指導の疑問
2018.02.24午後5時、ダウンを着込み下半身を毛布で包むお母さんたちに見守られ「明光サッカースクール」の練習が始まった。
-
ドイツ人元Jリーグ監督が“部活”に抱いた違和感「練習が休みと言ったら全員喜ぶ」
2018.02.06「日本では義務と趣味のバランスが悪いのかもしれない。この子たちは、練習が休みだと言ったら全員喜ぶよ」
-
「11人全員を抜け」 元海外組が痛感したスペイン育成現場の“ドリブル優先主義”
2018.01.22「デポルのスカウトに『どんな子をスカウトするの?』と聞いたら、返答は一言『ドリブルができる子だ』でした」――安永聡太郎(元横浜FM、リェイダほか)