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「自分たちは苦労あって巡り合えたパートナー」 自己新連発、りくりゅうが五輪シーズン前に得られた重要な学び【フィギュア国別対抗戦】

フィギュアスケートの国別対抗戦が19日まで行われ、日本は米国に次ぐ2位だった。上位進出の原動力となったのがペアでショートプログラム(SP)、フリーともに自己ベストを更新した“りくりゅう”こと三浦璃来、木原龍一組(木下グループ)。疲れの残るはずの今季最終戦で会心の演技を披露した。世界選手権も制した2人の強さは、一見控えめな「ケガをしない」という目標がもたらしている。(取材・文:THE ANSWER編集部:宮内 宏哉)

国別対抗戦で演技した三浦璃来&木原龍一組【写真:中戸川知世】
国別対抗戦で演技した三浦璃来&木原龍一組【写真:中戸川知世】

フィギュアスケート国別対抗戦でSP、フリーともに自己ベスト更新

 フィギュアスケートの国別対抗戦が19日まで行われ、日本は米国に次ぐ2位だった。上位進出の原動力となったのがペアでショートプログラム(SP)、フリーともに自己ベストを更新した“りくりゅう”こと三浦璃来、木原龍一組(木下グループ)。疲れの残るはずの今季最終戦で会心の演技を披露した。世界選手権も制した2人の強さは、一見控えめな「ケガをしない」という目標がもたらしている。(取材・文:THE ANSWER編集部:宮内 宏哉)

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 最後はヘトヘトだった。前日のSPで自己新となる80.99点を記録。この日のフリーでは序盤にサイドバイサイドの3回転トウループ―2回転アクセル―2回転アクセルの連続ジャンプを決めると、東京体育館は歓声に包まれる。持ち前の高さある美しいリフト、スロージャンプも決めてフィニッシュ。スタンディングオベーションとなる中、2人はともにリンクに手をつくほど。疲労に打ち勝って145.06点をマークした。連日の自己ベスト更新だ。

 リンクから降りる際は、疲れの残る木原の腕を三浦が引っ張って行った。「かおちゃん(坂本花織)に『大型犬の散歩』って言われました」。取材に三浦は笑って明かし、隣の木原は「正直、今日は早い段階で僕の方が足に来てしまったんですけど、チームメート、観客の皆さんの応援で何とか滑り切ることが出来た」と喜んだ。

 名実ともに世界屈指のペアとなった2人。今季掲げていた目標は「ケガをしない」。一見控えめに見えるが、世界のトップを獲るための根拠ある目標だ。

「ケガをしなかったので安定して練習をすることができ、その技術を積み重ねられた。ケガをするとマイナスに戻ってしまうし、以前のレベルに戻すことだけに集中しないといけない。今季は細かいケガはあったけれど、離脱するような大きなケガをすることはなかったので」(木原)

 今季は前半戦で苦しみながらも、全日本選手権をきっかけに浮上。練習を重ねられたからこそ、2大会ぶり2度目の世界選手権優勝に辿り着いた。体力的に厳しい中で迎えた最終戦。日本代表に24ポイントをもたらす大活躍で今季を締めくくった。フリーの得点として目指すところは150点台。三浦は「一つの抜けがありながら自己ベストを出せたので、夢じゃない」と目を輝かせた。

 2019年にペアを結成。「自分たちはいろいろ苦労があって、ようやく巡り合えたパートナー」という木原は、長い時をともに過ごしてきたからこそ、「楽しむ」大切さを知る。「いろいろ慣れてしまうと新鮮さがなくなり、当たり前になってしまう。気付けば結果を求めすぎて2人で滑れる嬉しさ、楽しさを忘れてしまっていた。僕たちにとって楽しさって言うのは、そういう事なのかなと思います」。ケガをせず、楽しさも忘れない。重要な2つの学びを得て、勝負のオリンピックシーズンに向かう。

(THE ANSWER編集部・宮内 宏哉 / Hiroya Miyauchi)

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