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普段通り過ごせない生理痛は「病気」 正体は2種類 ガマン強い運動部は痛みを1人で抱えがち

毎月の生理が憂うつな理由の一つが、「生理痛」。その痛みは感じる場所も、痛みの強さも、人によってまったく異なります。実は、勉強やスポーツに集中できない、痛み止めが必要などなど、普段通り過ごせない生理痛は、「病気」だと知っていましたか? 今回、日本体育大学の須永美歌子教授に「生理痛」についてお話を伺いました。

普段通り過ごせない生理痛は「病気」 日本体育大学の須永美歌子教授に「生理痛」についてお話を伺いました【写真:Getty Images】
普段通り過ごせない生理痛は「病気」 日本体育大学の須永美歌子教授に「生理痛」についてお話を伺いました【写真:Getty Images】

「コレって大丈夫? 生理前・生理中の痛みと不調」

 毎月の生理が憂うつな理由の一つが、「生理痛」。その痛みは感じる場所も、痛みの強さも、人によってまったく異なります。実は、勉強やスポーツに集中できない、痛み止めが必要などなど、普段通り過ごせない生理痛は、「病気」だと知っていましたか? 今回、日本体育大学の須永美歌子教授に「生理痛」についてお話を伺いました。

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 生理に関する悩みのなかで、断トツに多いのが生理痛。私が体育大学の女子学生約1700人を対象に実施したアンケートでも「生理痛がある」と回答した割合は、78%にものぼります。

 生理痛は「腰が重い」「腹部に膨満感がある」「下腹部が締め付けられるように痛い」というものから、「頭痛」「吐き気」など腹部とは関係ないような症状が出る人もいます。また、痛みや不調の程度も人によって異なり、「意識しなければほとんど気にならない」軽度の人もいれば、「布団から起き上がれない」ほどの強い痛みを感じる人もいます。

 もしも生理中は、「勉強や部活動に集中できない」「鎮痛剤を飲まないとツライ」「布団から起き上がれない」など、少しでも普段通りの生活が送れない人は、その痛みを「ガマンすれば大丈夫」と思わないでください。

 なぜなら、日常生活に支障をきたす生理痛は「月経困難症」という病気だからです。

 月経困難症には「機能性月経困難症」「器質性月経困難症」の2種類あります。

「機能性月経困難症」は、子宮の強い収縮が痛みの主な原因です。こちらは、初潮後、20代前半に多い病気。下腹部の強い痛みが特徴で、生理開始から1、2日目に痛みのピークが訪れます。

 生理中は子宮の内側を覆う「子宮内膜」が剥がれ落ち、子宮の収縮によって「経血」として体の外に排出されます。ところが子宮の収縮が強くなりすぎると痛みが発生。特に10代のうちは子宮口が狭くて固いため、経血を押し出す際に、子宮の収縮が強くなる場合があります。

 ほか、子宮や卵巣が未成熟である、冷えやストレスが強い、なども、痛みの要因になります。

「機能性月経困難症」は、痛みの期間も短いので、鎮痛薬や漢方薬によって対処します。

 よく「毎月、生理痛で痛み止めを飲むと、クセになって効かなくなるのでは?」と学生に聞かれますが、服用しても月に1、2日です。効き目がなくなるほど、長期間ではありません。

 むしろ、痛みを我慢して、勉強や競技に支障をきたす方が、心身が受けるダメージは大きい。コンディションの一つの方法なので、楽に過ごせるのであればお薬を使ってみてください。

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須永 美歌子

日本体育大学教授、博士(医学)。日本オリンピック委員会強化スタッフ(医・科学スタッフ)、日本陸上競技連盟科学委員、日本体力医学会理事。運動時生理反応の男女差や月経周期の影響を考慮し、女性のための効率的なコンディショニング法やトレーニングプログラムの開発を目指し研究に取り組む。大学・大学院で教鞭を執るほか、専門の運動生理学、トレーニング科学の見地から、女性トップアスリートやコーチを指導。著書に『女性アスリートの教科書』(主婦の友社)、『1から学ぶスポーツ生理学』(ナップ)

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