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重い生理痛でひっそりベンチ外に 記者が質問も…発表は「体調不良」 後悔した痛み止めのタイミング――バレーボール・迫田さおり「女性アスリートと月経」

迫田さんは現役時代、重い生理痛が2回あった【写真:片岡祥】
迫田さんは現役時代、重い生理痛が2回あった【写真:片岡祥】

競技生活で2回あった重い生理痛

 迫田さんは競技生活で2回、起き上がれなくなるほどの重い生理痛を経験している。1回目は東レアローズ入団後、初めて迎えたオフシーズンだった。

 高校卒業後、地元・鹿児島県を離れ、実業団に入団した迫田にとって、1年目は激動のシーズンだった。慣れない寮生活に、高校時代とは比べものにならない厳しい練習。ボールを触ることさえできない日々が続き、入団したばかりの頃はホームシックで毎晩、泣いた。

 そしてシーズンが終了し、久々に帰省する。たまたま生理が重なると、突然、「経験したことのない、爆発的な痛みが起きた」。

「痛みで頭が働かず、クラクラした。何だ、この痛みは。私の体はどうかなってしまうのか、とすごく怖かった。薬を飲んでも痛みが治まらず、この日は気絶するように眠りました」

 この痛みはずっと続くのかと不安になり、翌日、母親と一緒に婦人科のクリニックに行った。「生理痛だね」。検査の後、医師からサラッとそう告げられた。

「先生、助けてください、お願いします! という気持ちで病院に行きました。ところが、『生理痛』の一言で終わり。え、ソレだけ!? と拍子抜けしました(笑)。痛みが強すぎて、怖くて、生理痛だと思わなかったんです」
 
 とはいえ、生理痛であることに安心もした。3日目以降は痛みも消え、同じような痛みも再発せず、そのうち、思い出すこともなくなった。

「その時は立ち上がれないほどの痛みだったのに。生理痛って、忘れちゃうんですよね」

 2度目は、2010年。初めて代表に招集され、約半年の強化期間、世界バレー日本大会に初出場した年だった。急激な環境の変化や目まぐるしい日々を何とか乗り越え、久々に所属チームに戻って出場した天皇・皇后杯の大会期間中の出来事だ。

「試合当日、少し痛み止めを飲むのが遅れたんです。すると、実家で倒れたとき以来の、激しい痛みが起きてしまった」

 公式戦で穴を開けるわけにはいかない。迫田さんは痛みを押してチームメイトの待つバスに乗り込もうとした。

「バスまで行ったとき、『あ、無理だ』と思いました。トレーナーさんが私の顔色をみてすぐ体調不良に気付いて下さり、『チームには伝えておくから休んで』と。いつもより強い薬をもらってホテルに戻り、ベッドで寝ていました」

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長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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