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いまだ燻る女性アスリートのメイク批判 叩かれた選手の本音「当人もバッシングする側も…」――パラ陸上・中西麻耶

中西にとって「私だからこそできること」がモットー【写真:松橋晶子】
中西にとって「私だからこそできること」がモットー【写真:松橋晶子】

引退を決めている24年パリパラリンピック「私は絶対に6メートルを跳べる」

 中西は2024年のパリパラリンピックへの挑戦と出場を最後に、現役を退く意思を表明している。競技引退へのカウントダウンが始まった今、中西は東京パラ以前から掲げる、6メートルの記録を出すことを目標に定めている。

「年齢を重ねたことへのハンディは感じていません。むしろ競技経験を重ねるにつれ、自分の体の扱いもうまくなったし、動きの表現力も高くなったと自負しています。私は絶対に6メートルを跳べると思っていますし、それだけでなく、世界記録も塗り替えたい」

 情熱と強さと愛情と。たくさんの想いをヘアメイクに乗せて、試合に挑む中西。果たして次はどんな姿で、私たちをワクワクさせてくれるのだろう? 世界に魅せるラスト・ジャンプに想いを馳せながら、それがパリの空の下であるようにと願った。

【パラ陸上・中西麻耶が「新しい一歩を踏み出す時に大切にしていること」】

「『私だからこそできること』をモットーにしています。それは、女性だから、障がいを持っているからアドバンテージがある、という意味ではなく、『自分の目線だからこそ、気づくこと』という意味。つまり、自分のできる最善を尽くして関わっていく、ということです。女性アスリートだけでなく、一般の方も、例えば結婚や妊娠を期にキャリアを『捨てなきゃいけない』と考える人はまだ多いと思いますが、捨てる必要は別になくて。結婚も出産も、そのことでしか得られない経験や得られる感性があり、一瞬、社会から離れることはあっても、キャリアにプラスされることです。捨てるのではなく、新たに積み重ねると考えてほしいと思います。何かやりたいことがあるならば、自分に自信を持って、一歩踏み出し、最善を尽くしてほしい。そういう人生を送っていれば、きっと、この人のためにベストを尽くしたいと、周囲にも思ってもらえると思います」

 ※「THE ANSWER」では今回の企画に協力いただいた皆さんに「新しい一歩を踏み出す時に大切にしていること」「今、『変わりたい』と考えている女性へのメッセージ」を聞き、発信しています。

(THE ANSWER的 国際女性ウィーク6日目は「女性アスリートと体重管理」、ボクシング・鈴木なな子が登場)

■中西 麻耶 / Maya Nakanishi

 1985年6月3日生まれ。大分・由布市出身。明豊高(大分)ではソフトテニスでインターハイ出場。働きながら国体出場を目指していた2006年9月、勤務中の事故で右脚の膝下から先を切断。退院後にパラ陸上競技の世界を知り、義足のスプリンターに転向する。初出場の2007年日本選手権では100、200メートルで当時の日本記録を樹立。事故からわずか2年後、2008年北京パラリンピックに出場し、以降3大会連続出場。2016年リオ大会では走り幅跳び4位入賞となり、日本人では同種目のパランピック過去最上位を記録した。2019年には世界パラ陸上の走り幅跳びで日本人初となる金メダルを獲得し、東京パラリンピックの出場権を獲得。2021年の本大会では6位入賞。T64(片下腿義足)女子走り幅跳び日本記録保持者(5メートル70)。

(長島 恭子 / Kyoko Nagashima)


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長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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