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現役復帰した2児の母・馬淵優佳の悩み 女性アスリートの未来に思う「あったらいいな」

改めて競技と子育ての両立の難しさも感じる。最も頭を悩ませるのは、練習中の子どもの預け先だ【写真:松橋晶子】
改めて競技と子育ての両立の難しさも感じる。最も頭を悩ませるのは、練習中の子どもの預け先だ【写真:松橋晶子】

競技と子育ての両立に「あったらいいな」と思うこと

「動画を観ながら、怖くないの? とか、ママ、かっこいい! とか言ってくれます。

 選手に復帰すれば、どうしたって子どもにガマンさせることは増えますし、寂しい思いさせることも絶対にあります。復帰を決断する前から、そうまでして自分のやりたいことをやってもいいのかな、母親として大丈夫かなという迷いはずっとありました。でもいざやってみると、競技をやっているからこそ得られることも多くて。

 子どもに対し、母親が母親になっても、何か目標を持って頑張っている姿を見せるって、口で言うよりも、やっぱり伝わるものがあるんじゃないかなと思います。いつかこの先、試合に出る姿も子どもたちにちゃんと見せたい。そして、悔しい思いだったり、嬉しい思いだったりも見せていけたら、子どもにとってもプラスになることはあるんじゃないかな」

 一方で、改めて競技と子育ての両立の難しさも感じる。最も頭を悩ませるのは、練習中の子どもの預け先だ。

「やはりアスリートは9時~5時のお仕事ではないので、夜が遅くなったり、合宿や大会で数日~数週間抜けたり、子どもが熱を出しても試合や練習で急にはお迎えにいけないなど、イレギュラーなことが色々あります。ですから、子どもをどこで見てもらうかは大きな問題です。

 私は幸い、サポートしてくれる家族が身近いるので、競技をやれています。しかし、世の中には様々な事情で、家族に頼れない方はたくさんいます。

 うちは今年から一人が幼稚園、もう一人は保育園に入りますが、毎日、通園のために用意すること、予防接種や保険のことなどなど、子どものことって見えないだけで、日々の『やらなければいけない』細かいことがものすごくたくさんあるんですね。ですから、子育て中のアスリートが活用できるシステムがあるといいなとすごく感じます」

 できれば子どもたちを遠征にも連れていきたいと考える。しかし、ゼロから預ける場所を見つける必要があり、かなりハードルが高いのが現実だ。

「例えば遠征先でも練習中や試合中、選手の子どもたちを見てくれる人がいるなど、そういった環境が整えば、合宿に子どもを連れていくこともできる。あったらいいな、と思う点ですね」

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長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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