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体重38キロ、月経が止まった高校時代 競歩・岡田久美子の「陸上選手と体」と競技人生

岡田は高校時代、1日5回は体重計に乗り弁当を捨てることもあったという【写真:荒川祐史】
岡田は高校時代、1日5回は体重計に乗り弁当を捨てることもあったという【写真:荒川祐史】

母が作った弁当を捨てて…体重38キロ、月経止まった高校時代「病的だった」

「高校時代のレースは3000メートルから長くても1万メートル。体を絞りながら歩きの技術を高めることで記録も伸びました。でも、大学ではレースの距離は20キロ。しっかり食べないとスタミナ切れを起こしてしまうため、食べないわけにはいかなかった。そうしたら、高校時代は止まっていた月経が大学1年生で再開。体重コントロールが難しくなり、体重が一気に10キロも増え、丸みをおびた体型に変わってしまいました」

 高校時代、岡田の体重は38キロだった。1日5回は体重計に乗り、太ることを気にして、母親が作ってくれた弁当も捨ててしまうこともあった。中3から始まった月経は止まり、高校時代は一度もなかった。当時の自分を「病的だった」と振り返る。

「部活の仲間はみんな細かったし、部活の時間に顧問の先生の前で体重を測っていたから体重ばかり気になっていた。月経があり、ふっくらしてしまう子に向かって『なんで太っているんだろうね』という視線を向ける空気でした。だから大学で月経が再開した時も、女性としては自然なことなのに受け止めきれなかった。何もかもが、ぎくしゃくしてしまいました」

 岡田を救ったのは立大陸上部の監督だった。「4年間、結果が出なくてもいい。焦らず、まずは体をしっかり体を作ろう」。この言葉を受け、心が軽くなった。

「監督なら自分が見ている選手には、まず結果を出してほしいと思うのが普通だと思います。ゆっくりやろう、と言ってくれたことに、今でも感謝しています。それからは、体組成計で自分の体を見るようになった。脂肪だけでなく筋肉もついていることが数値でわかると、体重の変動にも一喜一憂しないようになりました。ただ、記録は伸びなかった。ロンドン五輪で代表になれなかったのは、少しつらかったですね」

 今はナショナルトレーニングセンターで食の細い選手を見かけると、「もっと食べなよ!」と、声をかけるという。「自分が苦しんだので、体や食事の話になるとつい熱くなってしまう」と笑う。

「特に高校生や大学生の選手は、食の細い選手が多いと感じます。海外では、20歳ぐらいから世界で活躍するようになる選手もいるので、何が違うのかな? と考えました。例えば中国の選手たちはきちんと月経を起こし、10代から無理な食事制限をせず、しっかり練習し、しっかり食べて体を作るサイクルができている。

 私も高校時代にしっかり食べていれば、大学で苦労しなかったかなと思うし、大学で食べるようになったおかげで、社会人になってからの飛躍につながっていると思う。バランスが難しいんですけどね。ずっと細いままいける体質の人もいますが、多くの選手が一回うわっとくる(体重が増える)ので、悩んでしまう。

 私も大学時代、『岡田は終わった』と言われ、傷ついたこともありました。それでも『いつか世界の舞台に立つ』という目標はぶらさなかったし、体を作ってきたおかげで、今、ここまでこれている」

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長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビューや健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌などで編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(共に中野ジェームズ修一著、サンマーク出版)、『つけたいところに最速で筋肉をつける技術』(岡田隆著、サンマーク出版)、『カチコチ体が10秒でみるみるやわらかくなるストレッチ』(永井峻著、高橋書店)など。

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