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育児も、マラソンも「がむしゃらに」 出産→2年で復帰、31歳前田彩里のパリ五輪挑戦

 20代後半になり、出産を決断。復帰をイメージしながらトレーニングを並行させ、同年12月に長女を授かった。1年後に本格的な練習を再開。育児で寝られない日々もありながら、愛娘の笑顔を力にした。

「今の自分と向き合って、日々充実した練習ができている」

 昔の自分と比べることはない。昨年12月14日から約1か月、宮崎でチームと合宿。ダイハツの山中美和子監督に師事し、今の実力にあった練習メニューを組んでもらった。「私もまだ自分の中で試行錯誤しながら、娘のことや陸上のことを両方考えながらがむしゃらにやっている」。シューズを脱いでも常に全力。だから、フルマラソンで勝負できるまでになった。

 マラソン界では赤羽有紀子さんが出産後に世界陸上に出場した例はあるが、簡単なことではない。パリ五輪の時は彩葉ちゃんも3歳半を過ぎる。ママの挑戦を少しずつ理解できるようになる頃か。

「2時間24分を切ることを目標にしていたので、それを達成できず満足のいく結果ではなかったですが、次に繋がるレースだったと思います。まずは今、自分がやるべきことをしっかりやっていけたらと思います」

 出産前最後のマラソンだった19年名古屋ウィメンズのタイムを1秒上回ってみせた。育児と五輪。片方を諦める時代じゃない。どちらの目標も叶えるために走り続ける。

(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)


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