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女性アスリートも持つ「痩せたい願望」 実は学生レベルに多い「疲労骨折」の理由

実はトップアスリートより一般学生に多い、疲労骨折の「経験あり」

 私は日体大の教員ですが「うちの学生は大丈夫かな?」と思い、2010年以降、「女性アスリートの三主徴」に関係するアンケートを学生に実施しています。

 アンケートの質問の一つが疲労骨折の経験の有無。集計の結果、2割の学生が「経験あり」と回答(21%、1711人中)しています。一方、JISS(国立科学スポーツセンター)が発表する数値をみると、疲労骨折の「経験あり」と答えたトップアスリートは11%。なんと、トレーニング量や強度が上回ると考えられるトップアスリートよりも一般の学生、女性アスリートのほうが数値が悪い、という結果が出たのです。

 その理由として考えられるのは、体に対する本人の意識の低さ、そして指導者、トレーナーなど、選手をサポートし、ケアをする環境が整っていないことが挙げられるでしょう。

 利用可能エネルギー不足かどうかを判断するのは、カロリー計算だけでは難しいです。ですから、あまり日々の摂取カロリーに固執せず、体に現れる変化をみることが大切。例えば、練習内容(強度)や練習時間、食事の内容や回数、そして体重や体脂肪の変化、体調を日頃から日記に記すとよいでしょう。利用可能エネルギー不足になれば、当然、急激な体重の減少がみられる、疲れやすくなる、生理不順などの症状が現れるため、重症化の予防や改善につながります。

 最初にお話ししたように、利用可能エネルギー不足になる女性アスリートの多くは「痩せれば速くなる、強くなれる」「結果を出すためには減量が欠かせない」と考え、無理な減量に走りがちです。でも、よい結果を出せる選手、真に強いアスリートになるには、健康であることは絶対ですよね?

 よいパフォーマンスを発揮するため、そして長く競技を楽しむためにも、選手たち、そして指導者や家族の方も、エネルギー不足のSOSを見逃さないでほしい、と願っています。

【CHECK!! あなたは利用可能エネルギー不足になりやすい?】

 以下の設問に当てはまるものにチェック。3つ以上、チェックがついた場合は、利用可能エネルギー不足にならないよう、十分に注意を。

□自分の体重を(常に)気にしている。
□現在、減量あるいは増量に取り組んでいる、または誰かにすすめられている。
□特定の食べ物や食品群を食べないようにしている。
□摂食障害になったことがある。

(長島 恭子 / Kyoko Nagashima)

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須永 美歌子

日本体育大学教授、博士(医学)。日本オリンピック委員会強化スタッフ(医・科学スタッフ)、日本陸上競技連盟科学委員、日本体力医学会理事。運動時生理反応の男女差や月経周期の影響を考慮し、女性のための効率的なコンディショニング法やトレーニングプログラムの開発を目指し研究に取り組む。大学・大学院で教鞭を執るほか、専門の運動生理学、トレーニング科学の見地から、女性トップアスリートやコーチを指導。著書に『女性アスリートの教科書』(主婦の友社)、『1から学ぶスポーツ生理学』(ナップ)

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビューや健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌などで編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(共に中野ジェームズ修一著、サンマーク出版)、『つけたいところに最速で筋肉をつける技術』(岡田隆著、サンマーク出版)、『カチコチ体が10秒でみるみるやわらかくなるストレッチ』(永井峻著、高橋書店)など。

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