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日本で聞かないスペイン野球界のリアル サッカーの国が希求する大谷並みの見える象徴

野球のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が開幕。侍ジャパンに大谷翔平投手(エンゼルス)ら豪華メンバーが集結し、日本は大いに盛り上がっている。一方で、世界の野球に目を向ければ、2024年パリ五輪は競技から除外。予選の出場国は、209か国だったカタール・ワールドカップ(W杯)に対し、WBCは28か国に留まるなど、競技の普及・振興、国際化における課題も少なくない。

スペイン野球の今を語ったエリック・セグラ氏【写真:Rafa Huerta(ラファ・ウエルタ)】
スペイン野球の今を語ったエリック・セグラ氏【写真:Rafa Huerta(ラファ・ウエルタ)】

連載「ベースボールの現在地」#6、スペイン・カタルーニャの強化担当が語る現況

 野球のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)が開幕。侍ジャパンに大谷翔平投手(エンゼルス)ら豪華メンバーが集結し、日本は大いに盛り上がっている。一方で、世界の野球に目を向ければ、2024年パリ五輪は競技から除外。予選の出場国は、209か国だったカタール・ワールドカップ(W杯)に対し、WBCは28か国に留まるなど、競技の普及・振興、国際化における課題も少なくない。

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「THE ANSWER」ではWBC開催期間中「ベースボールの現在地」と題し、海外でプレー、普及活動してきた野球人の歩みや想いを連日発信。注目される数年に一度の機会だからこそ、世界の野球の今を知り、ともに未来を考えるきっかけを作る。第6回は欧州でも古い歴史を持つスペインについて。同国代表としてユースからA代表まで、全カテゴリーでプレーし、現在はカタルーニャ野球・ソフトボール協会の強化担当を務めるエリック・セグラ氏に、スペイン国内における野球の現況を聞いた。(取材・文=山本 美智子)

 ◇ ◇ ◇

 スペインは現在、WBSC世界ランキングで19位。この国の野球の歴史は、意外に古い。バルセロナを首都とするスペインのカタルーニャ州の野球・ソフトボール協会には、野球の公式戦が初めてカタルーニャで行われたのが1901年2月3日だった、というデータが残っている。協会が作られたのは、1923年。首都にスペインベースボール協会が発足するのは、その20年後の1944年だ。

 セグラ氏はスペインでは珍しい、親子ともども野球選手としてプレーしたことがある「二世」だ。

「僕は、スペインでは非常に稀な例なんです。野球とソフトボールの家系からきているんですよ。父は野球をやっていて、母はソフトボール選手。それがきっかけで2人が出会って、僕が生まれた。さらに叔父も野球をやっていました。僕はスペインに生まれ落ちたにもかかわらず、生まれてすぐに、サッカーボールの代わりに、バットとグローブを手にしていたんです」

 現役時代のポジションは、父親と同じキャッチャー。地元のビラデカンスで19歳までプレーした後、2012年にサッカーで有名なFCバルセロナを起源とするCBバルセロナへ移籍。あまり知られていないが、FCバルセロナには、1941年に創立された歴史あるベースボール部門があったが、運営の根本的立て直しを理由に2012年に解散。その変遷期にプレーしていたセグラ氏はその後に地元チームに戻るが、負傷により2年前に現役を引退した。現役時代は協会の強化担当を兼任しながらベースボールの普及に努めてきた。

 セグラ氏が協会で仕事をするようになってから7年。カタルーニャに関していえば、野球人口は増えているという。「現在、カタルーニャでのライセンス数は1700。つまり1700人がベースボールあるいはソフトボールをプレーしているということです。この10年間で選手として登録されたライセンスの数は2~3倍になりました。僕が実際にやっていた頃と比べても、ユースカテゴリーも増えて今の方が充実しています」。カタルーニャではシーズンが始まったばかりで、今年は185チームが参加して大会が行われている。

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