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筋トレは人をどう幸せにするのか 変わりたい大人たちへ、バズーカ岡田の“贈る言葉”

トレーニングも仕事などと一緒 「きちんと取り組むからこそ、きちんとした結果が出る」
トレーニングも仕事などと一緒 「きちんと取り組むからこそ、きちんとした結果が出る」

「変われることの幸せをまだ実感できていないと、ツラいものでしかない」

 私たちボディビルダーは日々、文字どおり血反吐を吐くようなトレーニングを行っています。しかし、どんなにきつい内容であっても、1%、いや、0.001%でも筋肉が成長するならば、やり続ける。なぜなら、トレーニングで得られる「体の成長」という幸せが、私たちにとってあまりにもデカいからです。この幸せ感を知ってしまうと、食事をコントロールすることも、血反吐を吐くようなトレーニングも、全部が楽しくなってくる。そうなるともう、毎日、幸せしかありません。

 しかし、変われることの幸せをまだ実感できていないと、トレーニングはツラいものでしかない。すると、人間は都合のいい生き物なので、楽していい体になりたい、痩せたい、という気持ちに傾きます。楽して何かが変わることはないとわかってはいても、です。

 ただ、やっぱり短期間の成果は所詮、短期間しかもちません。私も短期間で体を変える内容をたまに書いていますが、これはあくまで、最初のステップ。早い段階で体が変わるという確かな結果を出し、幸せを実感してもらう。すると、次につながるからです。根本的に体を変えるならば、もっともっと長い目で立ち向かっていく必要がありますが、その準備とも言えます。

 挫折する、リバウンドしてしまう、というのは、すぐ結果を出したいから、超短期間断食すればいい、厳しい食事制限をすればいい、という短絡的なマインドの影響が非常に大きい。確かに短期間で体重はすぐ落ちるかもしれませんが、辛さの反動で確実にリバウンドしてしまいます。

 短期間で手に入れたものは、短期間で簡単に手放すことができるのです。でも、長い期間かけて大事に作り上げたものはすぐには手放せない。コツコツと長い時間をかけて作り上げた体だからこそ大事にしたくなるし、実際にいい体を作るライフスタイルが定着していき、大きなリバウンドも起こりません。だから、いい体を維持できます

 そもそも「長期間のダイエットは続かない」という声をよく耳にしますが、3か月続けるだけでも体はかなり変われます。

 健康のリスクが少ない減量の目安は、1か月間に体重の5%までの減量です。例えば80kgの人であれば、1か月で-4kg、3か月なら約12kgの減量が可能。分母が変わるので数値が少し緩やかにはなっても、11kg以上は減ります(厳密には11.4kg)。11kgといったら、1リットルの牛乳パック11本分にもなる体脂肪の量です。これが体からボコンと取れたら、体の形やサイズはまったく変わりますよね!

 いいですか、3か月で健康やリバウンドのリスクを抑えながら、80kgの人が70kgになれるのです。すごくないですか? それでも「長い」と感じるならば、年末に「今年も1年早かったね~」とか言わないでほしいです(笑)

 仕事もプライベートも、棚ぼた的にうまくいくことなんてそうそうないですよね。体作りも同じです。きちんと取り組むからこそ、きちんとした結果が出る。挫折しそうになったり、短絡的な方法に流されそうになったりした時は、一度立ち止まり、この真実に目を向けてほしいと思います。

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岡田 隆

1980年、愛知県生まれ。日体大准教授、柔道全日本男子チーム体力強化部門長、理学療法士。16年リオデジャネイロ五輪では、柔道7階級のメダル制覇に貢献。大学で教鞭を執りつつ、骨格筋評論家として「バズーカ岡田」の異名でテレビ、雑誌などメディアでも活躍。トレーニング科学からボディメーク、健康、ダイエットなど幅広いテーマで情報を発信する。また、現役ボディビルダーでもあり、2016年に日本社会人ボディビル選手権大会で優勝。「つけたいところに最速で筋肉をつける技術」「HIIT 体脂肪が落ちる最強トレーニング」(ともにサンマーク出版)他、著書多数。バズーカ岡田公式サイトhttps://bazooka-okada.jp/

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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