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3万6697人が走った東京マラソン 最後まで“1秒”を競った2人のランナーのスポーツマンシップ

東京マラソンは3日、東京都庁~東京駅前行幸通りの42.195キロで行われ、男子はベンソン・キプルト(ケニア)の優勝で幕を閉じた。日本人トップは自己ベスト2時間6分31秒で西山雄介(トヨタ自動車)が9位に。今夏のパリ五輪残り1枠を懸けた最終選考レース。設定記録2時間5分50秒に西山は41秒届かなかった。そんな男子のレースで18位、19位と続けてゴールした2選手が称え合う爽やかなスポーツマンシップを捉えた。(写真・文=THE ANSWER編集部・中戸川 知世)

フィニッシュラインから数メートル、互いに腰に手を添えて健闘を称え合った山本憲二(右)とベナード・キメリ【写真:中戸川知世】
フィニッシュラインから数メートル、互いに腰に手を添えて健闘を称え合った山本憲二(右)とベナード・キメリ【写真:中戸川知世】

THE ANSWER編集部・新人カメラマンフォトコラム

 東京マラソンは3日、東京都庁~東京駅前行幸通りの42.195キロで行われ、男子はベンソン・キプルト(ケニア)の優勝で幕を閉じた。日本人トップは自己ベスト2時間6分31秒で西山雄介(トヨタ自動車)が9位に。今夏のパリ五輪残り1枠を懸けた最終選考レース。設定記録2時間5分50秒に西山は41秒届かなかった。そんな男子のレースで18位、19位と続けてゴールした2選手が称え合う爽やかなスポーツマンシップを捉えた。(写真・文=THE ANSWER編集部・中戸川 知世)

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 顔を見合わせ、互いに腰に手を添えた。東京駅を背にしたレース最後の約100メートルの直線、2人で競り合う。山本憲二(マツダ)が2時間8分33秒の18位でわずかに先着し、ゴールした。フィニッシュラインから数メートル。膝に手をついて、少しふらつく。1秒後にゴールしたケニア出身のベナード・キメリ(富士通)が腰に手を伸ばし、声をかけた。すると、苦しそうな表情だった山本の表情が笑顔に変わり、2人で健闘を称え合った。

 ゴール先の正面にあるブリッジの上から撮影していた私は、2人の差はほとんどないように見えた。互いに最後まで力を振り絞り、どちらが先着するか分からないデッドヒートに少しハラハラした。ただ、2人は順位など関係なく、「お疲れさま」と言うように労わり合った。

 42.195キロという長い旅路をともに走り終えた先に芽生える清々しさはマラソンランナー特有のものだろう。

 計3万6697人が出場した今年の東京マラソン。そんな場面は、そこかしこで見られた。一般参加者には外国人ランナーの姿も多く、フィニッシュした後には日本人ランナーの記念写真を撮るなど、笑顔でそれぞれの言語で声を掛け合う姿も溢れ、写真を撮っている私も爽やかな気持ちにさせられた。

(THE ANSWER編集部・中戸川 知世 / Chise Nakatogawa)

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