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夏に見た慶応のエンジョイ・ベースボールの精神 ピンチで指折り数えた「入る」10回と笑顔の意味

第105回全国高校野球選手権・神奈川大会は8日から熱戦が繰り広げられている。「THE ANSWER」は新人カメラマンのフォトコラムを連日掲載。今回は、慶応ナインの笑顔。20日に横浜スタジアムで行われた準々決勝第1試合は横浜創学館に7-2と快勝し、4強入りした。負ければ終わりとプレッシャーの掛かる夏も、ピンチでも笑顔の慶応ナイン。その行動には意味があった。(写真・文=THE ANSWER編集部・中戸川 知世)

ピンチで指折り「入る」10回数える鈴木佳門(左)と笑顔で見上げる大村昊澄主将【写真:中戸川知世】
ピンチで指折り「入る」10回数える鈴木佳門(左)と笑顔で見上げる大村昊澄主将【写真:中戸川知世】

THE ANSWER編集部・新人カメラマン「夏の高校野球神奈川大会フォトコラム」

 第105回全国高校野球選手権・神奈川大会は8日から熱戦が繰り広げられている。「THE ANSWER」は新人カメラマンのフォトコラムを連日掲載。今回は、慶応ナインの笑顔。20日に横浜スタジアムで行われた準々決勝第1試合は横浜創学館に7-2と快勝し、4強入りした。負ければ終わりとプレッシャーの掛かる夏も、ピンチでも笑顔の慶応ナイン。その行動には意味があった。(写真・文=THE ANSWER編集部・中戸川 知世)

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 第1試合で撮った写真は3718枚。フォルダを見返してみると、慶応の笑顔の写真がたくさんあった。

 私が初めて慶応を取材したのは今年1月、センバツ出場校発表。以降、練習や春の県大会を取材したが、負ければ終わりの夏はプレッシャーが違う。そんな中に、主将・大村昊澄(3年)が「日本の高校野球を変えたい」と掲げる「エンジョイ・ベースボール」の精神をこの日も随所に感じた。

 ピンチでも笑顔を絶やさない。7-0の6回に2番手で登板した鈴木佳門(2年)。2死まで抑えるも、満塁から連続で四球を与え、押し出しで2失点してしまう。

 マウンドに声を掛けにきた二塁手の大村主将に弱音を吐いた。「ストライクが入りません」

 すると、主将は「『入る』って10回言ってみろ」と後輩を鼓舞した。その表情は、笑顔。

「流れが悪い時も笑顔でやる。相手へのプレッシャーになるし、チームも良い雰囲気になって良い結果に繋がる」(大村)。左手で指を折って数えながら口に出す187センチの鈴木を163センチの大村は白い歯をこぼしながら見上げ、見守った。印象的なシーンに思わずシャッターを切った。

笑顔があふれる慶応ベンチ、「ありがとう」の声がよく聞こえてきた【写真:中戸川知世】
笑顔があふれる慶応ベンチ、「ありがとう」の声がよく聞こえてきた【写真:中戸川知世】

 すぐ隣のカメラマン席で撮影していると、慶応ベンチからは頻繁に「ありがとう!」の声が聞こえる。先発した小宅雅己(2年)も「チームで常に(『ありがとう』を)言うことを徹底している。ポジティブな気持ちになれる」と言い、自身も笑顔を貫く。

 そんな小宅は、前日が17歳の誕生日。4回の打席に立つと、応援席からハッピーバースデーの合唱が起こり、相手の三塁側からも大きな拍手をもらった。「球場全体から拍手が聞こえて嬉しかった」と取材でも爽やかな笑顔をのぞかせた。

 この夏、いろんな球場で取材しているが、慶応の明るさは特に目立つ。この日、終業式があったため、応援席は控え部員のみ。しかし、試合前から大きな声で盛り上げ、グラウンドも選手もその姿に笑顔を見せていた。そんな姿勢にも、慶応らしさを強く感じた。

(THE ANSWER編集部・中戸川 知世 / Chise Nakatogawa)

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