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ワイルダーの劇的KOがヘビー級戦線にもたらす意味 見えた“最強の王者”への道筋

瞬間、アリーナの時が止まり、大歓声が続く。WBC世界ヘビー級王者デオンテイ・ワイルダー(アメリカ)の試合で、もう何度こんなシーンを見てきただろう?

デオンテイ・ワイルダー(右)の強烈なKO勝ちにラスベガスの観客は沸いた【写真:Getty Images】
デオンテイ・ワイルダー(右)の強烈なKO勝ちにラスベガスの観客は沸いた【写真:Getty Images】

ワンパンチでV10達成のワイルダーがヘビー級統一に前進

 瞬間、アリーナの時が止まり、大歓声が続く。WBC世界ヘビー級王者デオンテイ・ワイルダー(アメリカ)の試合で、もう何度こんなシーンを見てきただろう?

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「アンビリーハブル」。筆者のすぐ近くに座ったベテラン記者は呆然とした表情でそうつぶやいたが、ここまできたらもう信じるべきに違いない。どんな相手でも、どんな展開でも、ポイントで大きくリードを許していても……34歳の王者は一発のパンチで形成を変えることができるのだ。

 11月23日、ラスベガスのMGMグランドガーデン・アリーナで行われたWBC世界ヘビー級タイトルマッチで、王者ワイルダーがルイス・オルティス(キューバ)に7回2分51秒KO勝ち。最後は約1万人の観衆を総立ちにさせるとてつもないノックアウトで、10度目の防衛に成功した。

「ヘビー級の他の選手たちが(オルティスと)戦いたくないのは理解できる。彼は技術に秀でていて、戦術通りに動き、知性的。俺も距離を測らなければいけなかった」

 試合後、傍若無人な印象もあるワイルダーは挑戦者へのほめ言葉を繰り返した。そんな態度が示す通り、容易なファイトではなかった。

 開始直後から距離をとっての攻防となったタイトル戦で、前半を通じて優位に進めたのはスキルで上回るサウスポーの挑戦者だった。互いにヒット数は少なかったが、左の的確さで上回ったオルティスがポイントをほぼ連取。40歳になったキューバ人は体調も良さそうで、攻撃の糸口がつかめないワイルダーが、このままずるずると落城するかもしれないと考えたファンは少なくなかったのではないか。

 しかし――。冒頭で述べた通り、第7ラウンドにワイルダーの右ストレート一閃。オルティスはまるで銃で撃ち抜かれたように崩れ落ち、必死で立ち上がろうとしたものの、ケニー・ベイレス・レフェリーが10カウントを数え上げた。

 ワイルダーはプロデヴュー以来、これで42勝(41KO)1分。それにしても、“必殺の右”は本当に凄まじいまでの破壊力を秘めている。実はこの2人は昨年3月にも対戦し、その際にもオルティスが7回にKO勝ち寸前に迫りながら、ワイルダーが10ラウンドに逆転KO勝ちを収めた経緯がある。

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杉浦 大介

1975年、東京都生まれ。高校球児からアマボクサーを経て、フリーランスのスポーツライターに転身。現在はニューヨーク在住で、ボクシング、MLB、NBAなどを題材に執筆活動を行う。主な著書に「日本人投手黄金時代 メジャーリーグにおける真の評価」(KKベストセラーズ)、「イチローがいた幸せ」(悟空出版)。

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