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野球は300、ラグビーはわずか4… 28年前の“英雄”吉田義人が募らせるW杯後の危機感

日本ラグビーの未来へのビジョンと思いを語った吉田義人氏【写真:吉田宏】
日本ラグビーの未来へのビジョンと思いを語った吉田義人氏【写真:吉田宏】

ボールを動かしトライを取るジェイミー流が「明確に出てきた」

 PNCを3戦全勝で優勝した成績もさることながら、吉田氏が評価したのは、そのプレースタイルだ。ここにエディー時代との大きな違い、進化を読み取る。

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「ただ優勝しただけじゃなくて、ジャパンがこう戦うんだ、ここを強化してきたということが明確にでていた。具体的にいえば、ボールをワイドに動かしていく中で、選手1人1人が全員同じイメージを持ってプレーできている。だから、プレーに安心感がある。これは、ジョセフHCが就任当初からボールを大きく動かしていくラグビーを志向し続けてきた成果だと思います。エディーさんの時代は、そうじゃなかった。SHからのパスでFWにボールを持たせて、アタックを繰り返すのが基本でした。その中で相手防御にギャップができたときにBKにボールを展開していたのが、エディー・ジャパンの基本的なスタイル。でも、今のチームは15人全員がボールを動かし攻めている」

 ジョセフHCがベースとするのは、NZのチームで積極的に用いられるポッド・ラグビーと呼ばれるスタイル。決められたエリアごとに必要な人数の選手を立たせて、攻撃を仕掛けるのが基本だ。そこに、日本チームの俊敏性を生かして、最終的には相手防御の薄くなったタッチライン際にボールを集めるのがジェイミー流。4年前のワールドカップでの1試合平均トライ数は2(失トライは3)だった。トライよりも、連続攻撃の中で相手が犯した反則にFB五郎丸歩のPGで確実に3点を加点していくのが基本的な戦術だったが、今の日本代表はトライで勝利を目指すチームに変貌している。

 決勝トーナメント進出には、5チームによるプール戦で2位以上が条件だ。そのためには、世界ランキング9位の日本よりも上位のアイルランド(4位)、スコットランド(7位、すべて28日現在)を倒すのがノルマになるが、吉田氏の期待は高まっている。

「アイルランドは、NZ出身のジョー・シュミット監督のもとで力をつけている。伝統の力強いFWとNZ流のボールを動かすラグビーがうまく融合されているが、スコットランドは、新しい攻撃的なラグビーを志向しながらも、まだ従来の古いスタイルを脱却できていない印象です。実力は日本とほとんど差はないと考えていい。スコットランド戦は、絶対に勝てるという気持ちで臨むべき」

 今季の戦いぶりを評価する一方で、懸念材料に挙げるのが反則とセットプレーだ。スコットランド戦では、自陣で不用意な反則を犯せば、前回大会でも主将としてチームを牽引したSHグレイグ・レイドローの正確なPGが、日本が武器とするキックには欧州最強とも評価されるFBスチュワート・フォグのカウンター攻撃が待ち受ける。この連載にも登場した多くのレジェンドが語っているように、セットプレーの安定と、反則を犯さないディシプリン(規律)がキーポイントと指摘する。

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19年と6大会連続で取材。

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