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「りくりゅう」らメダリスト東京集結…ミラノ五輪で変わった“勢力図” 史上最多24個が示す次の道

全国に広がった冬季五輪のメダル…雪や氷がなくてもできる

 愛知県はもともとフィギュア王国で冬季五輪への関心も低くなかったが、これまで冬のスポーツと縁遠かった地域でのメダル獲得は大きな影響をもたらす。県や市で栄誉賞などの表彰や報告会、パレードなどがあり、そのたびに地元メディアが報じて話題になる。これまで関心がなかった層も「冬の五輪」を意識する。

 スキーで通学し、校庭に張ったリンクで滑っていた子どもたちが成長し、かつての冬季五輪の主役になった。しかし今大会の主役は、室内リンクで育ったフィギュアスケーターや、夏でも練習できる施設で技を磨いたスノーボーダーたち。温暖化の影響で天然の施設は減るが、今や雪や氷がなくても冬季競技ができる時代になった。雪や氷と無縁の地域からでも冬季競技のスターが生まれる。

 初の分散開催となったミラノ・コルティナ大会で、日本のメダルも分散された。北海道や長野県など一部地域に固まっていた「冬季五輪の熱」を、フィギュアスケートやスノーボードが冬季競技とは無縁の地域にまで広げた。かつて「北海道・東北・長野連合」などと言われた冬季五輪日本選手団が、真の「TEAM JAPAN」になった。

 五輪後のパレードは12年ロンドン大会からだが、冬季は今回が初の試み。活躍した選手が北海道出身者ばかりなら「札幌で」という声も出てきそうだが、冬季大会は「全国区」になった。五輪金メダリスト輩出都道府県が、7から12に一気に増えた。東京でやることにこそ意味がある。

 JOCとJPCはパレードの目的を「TEAM JAPANへの応援に感謝するため」としている。五輪24個のメダル獲得をはじめ、選手たちが力を発揮できたのは、日本からの熱い応援があったから。選手たちもファンに感謝し、ファンと触れ合える場ができたことを喜んでいる。

 と同時に、初のパレードには冬季競技、冬季五輪・パラリンピックの魅力を伝えて理解を深めることで、スポーツの価値を高めたいという主催者側の思いがある。大会の感動から2カ月、再び日本全国がスポーツの素晴らしさを思い返すイベントになる。

 さらに、その先には冬季五輪招致への思惑もある。12年ロンドン大会後のパレードには、応援への感謝とともに招致活動中だった東京五輪開催へ機運を醸成する狙いがあった。今回も選手たちを通して冬季五輪の魅力が伝わり、市民の支持が得られれば、停止中の札幌五輪招致活動に動きが出るかもしれない。

 冬の競技は海外での試合も多く、国内の大会も見に行くまでにハードルが高い。そんな遠い存在の選手たちが、雪と氷の舞台から都心に降りてくる。パレード開始は午前9時30分、日本橋にミラノ・コルティナの感動がよみがえる。

(荻島 弘一 / Hirokazu Ogishima)



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荻島 弘一

1960年生まれ。大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。スポーツ部記者としてサッカーや水泳、柔道など五輪競技を担当。同部デスク、出版社編集長を経て、06年から編集委員として現場に復帰する。山下・斉藤時代の柔道から五輪新競技のブレイキンまで、昭和、平成、令和と長年に渡って幅広くスポーツの現場を取材した。

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