走れず1秒差悪夢から1年 東農大・前田が引き寄せた箱根切符「ここで手を抜いたらまた…」
第102回東京箱根間往復大学駅伝(箱根駅伝)の予選会が18日、東京・陸上自衛隊立川駐屯地─立川市街地─国営昭和記念公園で行われた。1年前、わずか1秒差で落選した東農大は6位で本戦切符を獲得。昨年は肺気胸のため出走できなかったエースの前田和摩(3年)は1時間2分12秒のチームトップ&日本人6位と力走した。「ここで手を抜いたらまた1秒差で負ける」と過酷な練習を乗り越え、掴み取った夢舞台への切符。2年ぶりの箱根路に思いを馳せた。

来年1月2、3日に第102回大会
第102回東京箱根間往復大学駅伝(箱根駅伝)の予選会が18日、東京・陸上自衛隊立川駐屯地─立川市街地─国営昭和記念公園で行われた。1年前、わずか1秒差で落選した東農大は6位で本戦切符を獲得。昨年は肺気胸のため出走できなかったエースの前田和摩(3年)は1時間2分12秒のチームトップ&日本人6位と力走した。「ここで手を抜いたらまた1秒差で負ける」と過酷な練習を乗り越え、掴み取った夢舞台への切符。2年ぶりの箱根路に思いを馳せた。
仲間の涙は、もう見たくない。チームの大黒柱が力走し、歓喜の瞬間をたぐり寄せた。
たった10枚の切符をかけて、42校がしのぎを削る予選会。立川市街地から昭和記念公園に入る時、前田は仲間が掲げるボードに記された「5位」の文字を視界に捉えた。
レースは後半。本戦出場圏内だ。ただ、安堵も油断も全くなかった。
「少しでも(力を)抜いてしまわないように。『11位の1秒差で負けている』と心の中でずっと自分に言っていた」
その言葉の裏には、1年前の苦い記憶がある。

昨年の予選会。1万メートルで日本人学生歴代最高記録(27分21秒52)を持ち、絶対的なエースとして期待されていた前田の姿はなかった。肺気胸のため出走できず。チームは本戦出場ラインとなる10位の順大とわずか1秒差で落選した。「チームの力になれず、やるせない気持ちだった」と当時を振り返る。
「みんなにこんな顔をさせたくない」
仲間の涙は心にずっしりと刻まれた。
1秒差の無念――。この1年、その現実を一瞬たりとも忘れたことはない。「『ここで手を抜いたらまた1秒差で負ける』と脳裏に浮かぶようになった。頑張りが効くようになったかな」。過酷な練習を最後までやり切る原動力になった。
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