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女子ゴルフ最長ブランク優勝へ 9年ぶり首位で最終日の木戸愛「背中押してくれる」亡き父の言葉

国内女子ゴルフツアーの資生堂・JALレディース第3日が5日、神奈川・戸塚CC 西C(6766ヤード、パー72)で開催された。6位で出た35歳の木戸愛(日本ケアサプライ)は6バーディー、1ボギーの通算7アンダーで首位に立った。2年前に弟子入りした尾崎将司から「とにかく振れ」と指導され、飛距離がアップ。この日はパターも好調で、ツアー施行後の1988年以降では最長ブランク優勝記録となる12年349日ぶり2勝目に王手をかけた。

木戸愛【写真:Getty Images】
木戸愛【写真:Getty Images】

資生堂・JALレディスオープン第3日

 国内女子ゴルフツアーの資生堂・JALレディース第3日が5日、神奈川・戸塚CC 西C(6766ヤード、パー72)で開催された。6位で出た35歳の木戸愛(日本ケアサプライ)は6バーディー、1ボギーの通算7アンダーで首位に立った。2年前に弟子入りした尾崎将司から「とにかく振れ」と指導され、飛距離がアップ。この日はパターも好調で、ツアー施行後の1988年以降では最長ブランク優勝記録となる12年349日ぶり2勝目に王手をかけた。

 最終18番パー4。短いパーパットを決めた木戸に「ナイスプレー」「明日も頑張って」の声がかかった。そして、2016年7月のセンチュリー21レディス以来、9年ぶりに首位で最終日を迎えることが決まり、木戸は「わっ、最終日最終組も久しぶりですよね」と声を弾ませた。

 この日はパットが絶好調だった。今大会から手にしたPINGのPLDミルドパター(マレット型)がフィット。キャディーと話し合って決めた読みも合って、「長い距離や難しいラインもパットもたくさん入ってくれました」と振り返った。師匠の尾崎から「もっと、振れ」とたたき込まれてきたショットも冴え、グリーンは18ホール中1度しか外さず、6バーディーを手にした。

 気温30度の中で年齢を感じさせないハツラツとした姿。だが、シード権から陥落した2020年からは長く苦しい日々を続けてきた。23年12月11日には、心の支えになっていた元プロレスラーの父・木戸修さんが73歳で死去。木戸は落ち込む中で「自分のゴルフを何とかしたい」の思いで、尾崎に弟子入りをした。そして、「これを振りなさい」と手渡された素振り棒は、今や「友達」と言える相棒になった。

「おかげで落ちていた飛距離が戻って、ゴルフが変わってきました」

 現実に弟子入り前の23年シーズンは231.31ヤードだったドライバー平均飛距離は、今季は241.43ヤードを記録している。弱点となっていたパットも3日間を通して好調。しかも、地元神奈川県での大会でギャラリーの後押しもある。残すは最終日のみで、2012年7月のサマンサタバサレディース以来となる2勝目も期待される。木戸自身は「(優勝争いは)久しぶりなので思い切り楽しみたいです」と言いつつ、「父の言葉がいつも私の背中を押してくれるので」と実感を込めた。記者から「最も頭に残っている言葉は」と問われると、涙をため、声をうわずらせながら答えた。

「『一生懸命、前向きに頑張っていたらいい日が来る』と言い続けてくれていたので、それは信じて頑張りたいです」

 明日を12年349日ぶりの「いい日」にすべく、木戸は残り18ホールを戦い抜く。

(THE ANSWER編集部・柳田 通斉 / Michinari Yanagida)



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