WBCでジャッジを「先頭打者にしてみて」 MLB監督から進言された米国指揮官「言っていることは…」
来年3月に開催される野球の国際大会、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に向けて、米国内でさまざまな意見交換が進んでいる。代表監督を務めるマーク・デローサ氏がMLB専門局の番組に出演。その中で現役のMLB監督から「ジャッジを先頭打者にしてみてください」と、主将を務めるアーロン・ジャッジ外野手についてオーダーの進言を受けた。

米国代表のデローサ監督が番組内で…
来年3月に開催される野球の国際大会、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に向けて、米国内でさまざまな意見交換が進んでいる。代表監督を務めるマーク・デローサ氏がMLB専門局の番組に出演。その中で現役のMLB監督から「ジャッジを先頭打者にしてみてください」と、主将を務めるアーロン・ジャッジ外野手についてオーダーの進言を受けた。
前回2023年大会は決勝で大谷翔平投手を擁する日本に敗れ、2017年大会に続く連覇を逃した米国。タイトル奪還に向け、前回に続いて指揮を執るデローサ監督は今年4月、ジャッジの同大会初出場と、米国代表主将に就任することを発表した。
MLB専門局「MLBネットワーク」公式Xは、同番組にデローサ監督が出演した動画を公開。番組の司会を務めるデローサ監督は、タイガースのA.J.ヒンチ監督と中継を繋ぎ、こう語りかけた。
「私は今、ラインナップを考えていて、毎晩選手たちの調子を見ているのですが、9年前にあなたがMLBセントラルに出演した時、2016年の5月に(アストロズで)ジョージ・スプリンガーをリードオフにすると決めたのを覚えています。そのことが、多くのチームのラインナップの認識を変えたと思います。当時のことをもう少し説明してもらえますか」
これに対し、ヒンチ監督は「選手たちが成功できる位置にいることが重要だと思います」と大前提を示しながら「ラインナップについて学べば学ぶほどラインアップの構成を知ることができました。今とは違う時代の球界で育ってきたので、このような事については詳しくなかったのですが、論理的な観点からみると『最もプレッシャーがかかるのは、試合の最初の1球だ』と気づきました」。当時、本塁打も打てるスプリンガーを先頭打者に置いた背景を述べた。
その上で「試合の初球はプレッシャーの要素があり、先頭打者が重要なのです。その後の打順は全くのランダムです。挑戦的なことを言いますが、WBCでジャッジを先頭打者にしてみてください。どうなるか見てみてください」と「1番・ジャッジ」を提案した。
これにデローサ監督は「絶対にそれはやりたくはありませんし、やらないと思いますが、言っていることはわかります」とひとまずは提案を拒んだ。一方で「データを見てシミュレーションをするとそうなるかもしれませんが、あなたがそう変えたのです。今はアクーニャたちが先頭打者になっています。私たちの時代のように、とりあえず外角に速球を投げて、ゲームのリズムを作って修正していこうということはできません。今は、一振りで1対0のような形になっています」と理解も示した。
ヒンチ監督は「今では先頭打者でもどの打順でもパワーが重要視されてきているのと一致していると思います。塁に出るとか足が速いという要素だけではないのです」と野球の質が変わってきていることを指摘。「いろいろなプレッシャーがありますが、パワーがプレッシャーになるのです。いつも1対0になるとは限りませんが、その脅威で投手の立ち上がりを混乱させることができるのです」と主張していた。
(THE ANSWER編集部)