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29歳で引退の理由「両眼で焦点を合わせることが…」 世界最速4階級制覇、田中恒成が戦っていた光なき12R

ボクシングで世界4階級制覇を達成している前WBOスーパーフライ級王者・田中恒成(畑中)が4日、現役引退を発表した。29歳、プロ生活11年での決断。理由は「度重なる眼の怪我が全てです」とインスタグラムに記した。

自身最後の試合となったプメレレ・カフ戦で奮闘した田中恒成(左)【写真:高橋学】
自身最後の試合となったプメレレ・カフ戦で奮闘した田中恒成(左)【写真:高橋学】

田中恒成が現役引退を発表

 ボクシングで世界4階級制覇を達成している前WBOスーパーフライ級王者・田中恒成(畑中)が4日、現役引退を発表した。29歳、プロ生活11年での決断。理由は「度重なる眼の怪我が全てです」とインスタグラムに記した。

 2013年にプロデビューした田中は、15年にWBO世界ミニマム級王座を獲得。国内最速の5戦目での偉業だった。ライトフライ級、フライ級でも世界王座に就き、24年2月にはWBO世界スーパーフライ級王座決定戦でクリスチャン・バカセグア(メキシコ)に3-0で判定勝ち。井岡一翔、井上尚弥に続き日本人3人目となる4階級制覇を達成した。元世界6階級制覇王者オスカー・デラホーヤ(米国)の24戦を上回る、世界最速21戦目での達成だった。

 24年10月、プメレレ・カフ(南アフリカ)に1-2の判定負けを喫し、王座陥落。これが最後の試合になった。戦績は20勝(11KO)2敗。インスタグラムには「プロボクサーを引退します。プロ生活11年。長い間、たくさんの応援本当にありがとうございました」と報告した。

 理由については「度重なる眼の怪我が全てです」と説明。状態が悪かった両目を、試合後に手術すると決めてカフ戦に臨んでいたという。「しかし、試合開始直後、右眼が見えなくなってしまい、3R目には光も完全に全て消えてしまいました」。光を失った中で12ラウンド戦い抜いていた。

 手術で視力は回復したが「今も右眼の視界は大きく歪み、両眼で焦点を合わせる事ができなくなってしまいました」と状態が戻ることはなかったと説明している。

「2021年~の4年間で首のヘルニアの手術をしたり、目の手術だけでも沢山、数多くの手術をしていた影響もあり、眼は脆くなり、試合どころかスパーリングもできない状態になりました。リングに上がる道がなくなってしまったので、こうして引退を決めました」

 周囲への感謝も記した。「身近な人の応援から始まりそこから沢山の人に応援をしてもらえる様になりました。あの声援があったから、一度も諦める事なく、リング上で戦い続ける事ができたんだと思います」。ボクシングを通じて「カッコいい人になりたい」が変わらず持ち続けた思い。「そんなボクサーに、人になれているかはわかりませんが、これからもその軸は変えずに、頑張って生きていきたいと思います。ここまで応援本当にありがとうございました」と締めた。

(THE ANSWER編集部)

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