なぜ、蹴った球が審判直撃も失格なし? 全仏OPで物議の振る舞い、元世界1位が見解「重要なのは怪我を負わせたかどうか」
テニスの全仏オープン(OP)は現地3日、男子シングルス準々決勝が行われ、世界ランク7位のロレンツォ・ムゼッティ(イタリア)が、同16位のフランシス・ティアフォー(米国)に3-1(6-2、4-6、7-5、6-2)で勝利し、4強に駒を進めた。試合中には、ムゼッティが蹴ったボールが審判に当たるアクシデントが発生。失格にならなかったことで物議を醸したが、元世界1位はその理由を分析している。

ロレンツォ・ムゼッティの行動が問題に
テニスの全仏オープン(OP)は現地3日、男子シングルス準々決勝が行われ、世界ランク7位のロレンツォ・ムゼッティ(イタリア)が、同16位のフランシス・ティアフォー(米国)に3-1(6-2、4-6、7-5、6-2)で勝利し、4強に駒を進めた。試合中には、ムゼッティが蹴ったボールが審判に当たるアクシデントが発生。失格にならなかったことで物議を醸したが、元世界1位はその理由を分析している。
問題のシーンは第2セット。ムゼッティは、自身のサーブでボールパーソンからボールを受け取る際に、足元で跳ねていたボールを蹴った。それが線審の胸あたりに直撃。当たった線審は何事もなかったかのように動かなかったが、ムゼッティは謝罪するような仕草を見せていた。ムゼッティはこの場面で注意を受け、試合は続行された。
英放送局「TNTスポーツ」は「ジム・クーリエが2020年のノバク・ジョコビッチとは異なり、ロレンツォ・ムゼッティが失格にならなかった理由を説明」との見出しで記事を掲載。男子シングルス元世界1位のジム・クーリエ氏が「当たった強さは関係あると思う。重要な要素だ」と指摘し、「意図は関係ないだろう? 重要なのは、当てた人が誰であれ、怪我を負わせたかどうかだ。怪我していれば、失格になるだろう」と持論を展開していた。
2020年の全米OPでは、ノバク・ジョコビッチがボールパーソンへ向けて向けて返したボールが、意図せず線審の首に直撃。治療を受けざるを得ない状況となり、ジョコビッチは失格となった。クーリエ氏はこの場面と比較し、ムゼッティが線審を怪我させなかったことが要因となったとの見解を示していた。
英紙「ガーディアン」は、試合後、敗れたティアフォーの「一貫性がない」という判定への不満に注目。一例として、2年前の全仏OP女子ダブルスで加藤未唯が意図せずボールをボールパーソンに当ててしまい、失格になったことを挙げていた。
(THE ANSWER編集部)