[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

衝撃127秒TKOの裏で抱えた不安 故障で調整遅れた武居由樹…陣営に繰り返した「スパーはいつ?」

ボクシングのWBO世界バンタム級王者・武居由樹(大橋)が29日、2度目の防衛成功から一夜明け、神奈川・横浜市内の所属ジムで会見した。前夜は同市の横浜BUNTAIで同級8位ユッタポン・トンデイ(タイ)に初回2分7秒TKO勝ち。世界戦初のメインイベントで衝撃を与えたが、その裏で陣営と不安を抱えながらリングに上がっていたことを明かした。

ユッタポン・トンデイに初回TKO勝ち、一夜明け会見を行った武居由樹【写真:澤田直人】
ユッタポン・トンデイに初回TKO勝ち、一夜明け会見を行った武居由樹【写真:澤田直人】

武居由樹が一夜明け会見

 ボクシングのWBO世界バンタム級王者・武居由樹(大橋)が29日、2度目の防衛成功から一夜明け、神奈川・横浜市内の所属ジムで会見した。前夜は同市の横浜BUNTAIで同級8位ユッタポン・トンデイ(タイ)に初回2分7秒TKO勝ち。世界戦初のメインイベントで衝撃を与えたが、その裏で陣営と不安を抱えながらリングに上がっていたことを明かした。

 圧勝劇の裏で少しだけ不安や焦りがあった。武居は昨年12月に右肩関節唇損傷を負い、今年1月予定だった試合は延期に。リハビリや注射による治療で回復に努めた。元世界3階級制覇王者・八重樫東トレーナーは調整期間について「段階を踏んで肩を使いだした。治ったからといって、いきなりスパーリングをするというのは無理だった」と説明。実戦練習は遅れたという。

 3月中旬に試合を発表。スパーを開始したのは4月上旬からだった。八重樫氏は「実戦が乏しかったので不安要素ではあった」。武居は「スパーはいつですか?」と八重樫氏に繰り返し聞いていたという。「怪我からの復帰と初の世界戦のメインイベント。不安もあった」と振り返った。

 一方で減量は万全だった。「すごく楽で元気でした。考えながら減量ができた」。リングに立てば、マイナスな感情はどこ吹く風。3度ダウンを奪う完勝につなげ、八重樫氏も「怪我とかコンディションとか、緊張感を乗り越えた。初回で倒せたのは本人の力と再確認できました」と評価した。

 バンタム級王座は、WBCに中谷潤人(M.T)、IBFに西田凌佑(六島)、WBAにアントニオ・バルガス(米国)が就き、WBAには目の手術を受けた堤聖也(角海老宝石)も休養王者として存在する。6月8日には中谷と西田が王座統一戦で激突。武居が対戦を熱望してきたWBC1位・那須川天心(帝拳)も6月8日に世界前哨戦に臨み、11月頃に世界初挑戦を狙う。

 次戦は9月、WBO1位クリスチャン・メディナ(メキシコ)との指名試合となる。大橋秀行会長は「それを終えたら次はどんどん大きな道が開ける試合」とビッグマッチを用意する方針。他団体王者との統一戦の可能性もある。ダメージはなく早めに練習を再開する見込みだ。武居は「ファンの声を大事にしたい。この選手と見たいと思ってもらえる選手」と誰でも受けて立つ構えを見せた。

(THE ANSWER編集部・澤田 直人 / Naoto Sawada)



W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
CW-X
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集