憧れ井上尚弥の前で鮮烈2回TKOデビュー 22歳逸材・荒竹が右フック一閃「尚弥さんにみたいに…」
ボクシングのアマチュア8冠・荒竹一真(大橋)が28日、神奈川・横浜BUNTAIで行われた49キロ契約6回戦でプロデビューし、キティデッチ・ヒルンサク(タイ)に2回2分13秒TKO勝ちした。ジム期待の新星が鮮烈な右フックを一閃。憧れのジム先輩・世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥の前で大器の片鱗を見せた。戦績は22歳の荒竹が1勝(1KO)、23歳のキティデッチ16勝(10KO)8敗。

49キロ契約6回戦
ボクシングのアマチュア8冠・荒竹一真(大橋)が28日、神奈川・横浜BUNTAIで行われた49キロ契約6回戦でプロデビューし、キティデッチ・ヒルンサク(タイ)に2回2分13秒TKO勝ちした。ジム期待の新星が鮮烈な右フックを一閃。憧れのジム先輩・世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥の前で大器の片鱗を見せた。戦績は22歳の荒竹が1勝(1KO)、23歳のキティデッチ16勝(10KO)8敗。
鮮やかなデビューだ。サウスポーの荒竹はガードを固め、慎重な足り上がり。しかし、決着は早くも訪れた。2回に左ボディーから強烈な右フックを顎にヒット。ダウンを奪い、すかさずレフェリーが試合を止めた。「2回からはチャンスがあれば行こうと思っていた。狙っていないところで倒すことができてよかった」。初々しく汗を拭った。
キティデッチも「思っていた以上にパンチが重くてスピードも速かった」と落胆。KOパンチは「一瞬の出来事だった」と驚愕した。

荒竹はモンスターに憧れ、大橋ジムに入門。「大橋ジムに入った理由の一つ。自分のロールモデル」。試合前は控室とリングイン直前に井上、弟の拓真とグータッチ。「頑張ってね」とエールをもらった。「試合で勝ったことと同じくらい嬉しかった」。井上からもらった試合用シューズでデビュー。恩を結果で返した。
元プロボクサーで2024年パリ五輪の日本代表コーチを務めた父・俊也氏の下、小学5年からアマチュアボクシングを始めた。「人生に1回しかないデビュー戦を楽しむ」と父と約束。入場時にリングサイドに入る道を間違え、苦笑いしたのもご愛嬌。「皆さんのおかげで楽しめた」と笑い、地元・鹿児島から駆け付けたファンに感謝した。
鹿屋工高時代に高校5冠を達成。2022、24年にはアジア選手権で銀メダルを獲得した。25年4月にB級プロテストに合格。「ボクシング面もそうですし、人としても尚弥さんにみたいになりたい。結果的にKOできる選手になりたい」。新世代のモンスターが好スタートを切った。
(THE ANSWER編集部・澤田 直人 / Naoto Sawada)