逆王手・琉球の「Xファクター」は27歳苦労人 荒川颯がムード一変の一発 空中戦も制し、いざ2季ぶり2度目の年間Vへ
バスケットボールBリーグのチャンピオンシップ(CS)決勝第2戦が25日、横浜アリーナで行われ、琉球ゴールデンキングス(西地区1位)が宇都宮ブレックス(東地区1位)を破り、1勝1敗のタイに持ち込んだ。琉球は前半、35-43と宇都宮にリードを許したが、後半は荒川颯(はやて、27)の活躍などで逆転から一気に突き放し87-75で快勝。今季の優勝チームを決める第3戦は27日に同会場で行われる。

Bリーグチャンピオンシップ決勝第2戦
バスケットボールBリーグのチャンピオンシップ(CS)決勝第2戦が25日、横浜アリーナで行われ、琉球ゴールデンキングス(西地区1位)が宇都宮ブレックス(東地区1位)を破り、1勝1敗のタイに持ち込んだ。琉球は前半、35-43と宇都宮にリードを許したが、後半は荒川颯(はやて、27)の活躍などで逆転から一気に突き放し87-75で快勝。今季の優勝チームを決める第3戦は27日に同会場で行われる。
反撃の狼煙をあげたのは、琉球の荒川颯だった。第2Q終了間際、この日1本目の3点シュートを決めた。2日連続の嫌な流れを断ち切り、スタンドのムードも一変させる一発。桶谷大監督は最大14点差あったビハインドを8点にするシュートを振り返り「1ケタの差で前半を終えたことが大きかった」と話した。
第3Q、琉球は粘り強く宇都宮に迫った。40-46、47-51、7分過ぎにはヴィック・ローが豪快なダンクを沈め57-57と追いつく。63-64で第4Qに突入したが、流れは琉球のものだった。
第4Q、荒川が爆発した。10分間で、2本の3点シュートを含む10得点。終了間際には勝利を決定づける連続得点で、スタンドのファンを沸かせた。第1戦は思うようなプレーができなかっただけに「昨日の反省を生かして、今日は強気でいけた」と話した。
B3の横浜エクセレンスなどでプレーし、23年に練習生として琉球入りした苦労人。第1戦で活躍した宇都宮の小川敦也は京都・洛南高の後輩でもあり、この試合にかける思いも強かった。長いリーグ戦の後のCSは、勝ち上がるために想定を上回る特別な要素「Xファクター」が必要。桶谷監督は「きのうは小川くんが、今日は荒川がXファクターになった」と勝利の立役者を称えた。

小川の活躍とともに、目立ったのは決勝前から言われていた琉球のリバウンドの強さ。この日はオフェンスリバウンド22、ディフェンスリバウンド25の計47で宇都宮の33を上回った。数字そのものは第1戦と大きく変わらないが、得点に直結するなど勝負どころで空中戦の強さが大きな武器になった。
琉球は第1戦を分析して相手の3点シュートに対するディフェンスを修正、前日は41パーセントだった成功率を32パーセントまで抑え込んで勝利につなげた。もっとも、第3戦では宇都宮が第2戦を分析して新たな策を立ててくる。27日の第3戦は、ともに1年間のすべてを出して戦う大一番になる。
決勝2試合で21リバウンドと活躍する琉球のジャック・クーリーは「勝ちたいと強く思った方が勝つ」。宇都宮の小川も「優勝したいという気持ちが強い方が勝つ」と話した。琉球が勝てば2季ぶり2度目、宇都宮なら3季ぶり最多3度目の優勝。両チームのファンとともに、横浜アリーナが過熱する。(荻島弘一)
(THE ANSWER編集部)